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レンガとは、赤茶色の四角い物体です。粘土に砂を混ぜ、直方体の形にして焼いたもので、この簡単な製法からもわかるとおり、歴史は大変古いのです。世界で初めてのレンガが使用されたのは、新石器時代だそうです。
約5500年前のメソポタミアでは干しレンガが見つかっており、建築資材として一般に使用されていたという。現在のように、大量に焼いて作るようになったのは古代ローマ時代で、西洋ではレンガを使って建築物を作ることが多いのです。
木材を使って建築物を立てる日本や東南アジアなどには、原料の木材が多いのに対して西洋の多くの国には木材が少ない。レンガは加工が難しく作業にも人手がかかりますが、丈夫なため大規模で壮大な建築物ができます。
三匹の子豚の話でも、わら、木、レンガと家を建て、レンガが丈夫だと物語られています。だが、丈夫さを誇ったレンガも、近年では鉄筋コンクリート建築に押され、用途は主に装飾に限られているようになりました。
焼く時間を調整して、様々な色のレンガが造られ、一回使ったものを再利用すると微妙な色合いがでて人気のようです。レンガが日本に入ってきたのは、幕末の頃です。日本で最初にレンガを使用したのは1850年、佐賀藩の耐火反射炉だったと言われています。
また、最初のレンガ建築物は1857年に造られた長崎製鉄所で、地元の瓦屋がレンガを造ったといいます。日本でのレンガの歴史はそれほど古くはないのです。しかし、西洋の文化を取り入れることに抵抗のない日本人は直ぐに取り入れ、明治、大正の建築物にレンガを使用して多く残しました。旧北海道庁、函館倉庫群、法務省などが有名です。
そして、なんと言っても有名なものは、3階建ての東京駅でしょう。あの壮大な建物は1914年の第一次世界大戦の時に完成したのです。東京駅は当時、中央が天皇専用の出入り口で、北側が入り口で南側が出口という一方通行だったそうです。
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