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日経新聞で神戸大学・小塩隆士教授の「少子化がもたらす最大の論争点」という記事を読んだのですが、それは、少子化時代、民主主義はその本質的な課題に直面すると言っています。人口が順調に増えていれば、民主主義は極めて順調に機能して、民主主義化の意思決定は、その時点における人口構成を反映します。
人口が増えていれば、若年層のほうが高齢層より人口が多いので、多数決の下では若年層の利益を反映した政策が選択されやすいと言います。若年層が合理的に判断すれば、現在だけでなく自分が高齢者になった時の事も考え、生涯を通じ最適な政治を望むのです。
この民主主義的に選択された政策は、その後も望ましい政策として受け入れられます。若い層が多数を占め続けるので、実際に選択される政策は、以前に選択された未来までも考えた政策と同じになるからです。しかも、それはその世代にとって最適な政策のはずです。
このような場合、民主主義は現在生存しているすべての人々の利益を最大に寄与し、意思決定に参加しない将来世代の便益も損なわないのです。ところが、少子化が進むと状況は一変します。人口構成が高齢層に偏るので、高齢層に有利な政策が選択されやすく、高齢層は死が近づいているので、幸せを最大にする政策を選択するのです。
それは若年層を不利にして、未来のよき構想は打ち消され若年層の意見は反映されないのです。したがって、民主主義の下で選択される政策は、どの世代にとっても生涯を通じて最適なものではなくなります。高齢時の幸せが過度に追求されるからです。
さらに、小泉政権は最適な政策を選択する仕掛けを民主主義に用意していなかったのです。将来世代が意思決定に参加できないという欠点を露呈していたのです。現在の民主主義がうまく機能するには、順調な人口増加という条件が整った場合なのです。
現在を生きる我々は未来の子供達に世界一の借金を抱えさせています。小泉政権がもたらした負担増は一世帯あたり17万8000円の負担増です。「改革には痛みがともなう」と主張し、国民に多くの負担を強いてきましたが、改革の成果は一向に国民に還元されていません。低所得者や年金生活者の生活を脅かしています。
小泉内閣による国民負担増(抜粋) 年 月 負担増の内容 一世帯あたり 2003.4 政府管掌健康保険量引き上げ 20,795 2004.1 配偶者特別控除上乗せ部分の廃止(所得税) 9,671 2004.10 厚生年金・共済年金保険料引き上げ 12,921 2005.6 配偶者特別控除上乗せ部分の廃止(住民税) 5,156 2006.1 定率減税の縮減(所得税) 25,278 2006.6 定率減税の縮減(住民税) 7,834 2007.1 定率減税の廃止(所得税) 26,368 2007.6 定率減税の廃止(住民税) 8,629 その他の負担増との合計 178,202
小泉政権が5年間でもたらされたものは、負担増だけではありません。貧富の格差の拡大、生活実感の悪化、自殺者が過去最高など、社会は大きく変化しました。その結果、犯罪や生活保護を受けている人数や健康保険料の滞納者は増加し、社会福祉の根幹を揺るがしかねない事態となっています。これが、小泉政権5年間の民主主義の検証となります。
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