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泣き濡れて小さな光よこされている 不眠症、くすんだ心がひとつある 泣きじゃくるひとり閉じ籠ったままの空 さみしいうたかきあつめて夜明けの友とする 泣くだけは泣いて心ふやけるままに 白状したいすべてが夜明け前の空 夜明けの涼しさに人がいない道路 みんな遠くなる夜明け前のしじまに 弱い弱い弱いじぶんの輪郭はっきりとある ねむれよねむれ我が手わが子を抱くごと 育ちすぎたなんて小さい私だ よそから灯りが洩れてさみしい家路 眠れない夜の傷口たしかめている 窓にうつる不格好な私でこれしかない 窓の灯りに昨日がまだ残っている ひとときの雨にずぶ濡れの格好で居る 帰り去る人たちばかりで誰も声がない ショッピングモールの涼しい喧騒にひとり 拾われて帰るしかないバスの無言 ひとりの夜が秋深くなりゆく 夕焼けに何者でもない私が横切る さみしさ持ち帰るコンビニ袋がさつく 傷口ゆっくり冷えていく朝の時間 また泣きそうになる心ひとしずく 久々の酒に泣きも笑いもある 酒に心動かされてなんてさみしい 呑んで呑まれて癒えない傷だ
..2020/10/31(土) 22:59 No.810
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