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明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願いします。
元日の母がはたらきへ出る 春めいて挨拶の顔がほころんで また来る約束のこうべを撫でやる 手を振れば尾をふる犬よさよなら 物音これ一つの爪切る 人待つそぶりの一服とする 青葉茂く陽かげり 春めくや雀等べしゃる ともし火灯し心憩える 灯りの袂冬木つらなる 波音仄か心鎮もれる 汀人なく白浪遠ざかる 昼深々と山の公園 林檎ころりと昼の閑かさ 山深く入り来て陽のあかるさ 街の灯したしく我が家へもどる 凍えるふたりで一服している 弔客みな去んでしんと雪ふる 雪のなごりへ足跡捨て去る 夕べは雪夜であったぬくい陽へ出る 火を吹きあぐ煙突遠くある 凡夫ひっそり煙草へ火をやる 熱風邪ごときの鼻紙なんぼでも ぶかぶか履いて父の靴をもらった 音なく葉の落つるや一瞥くれる 夕風のただ中しがない仕事へ出る 雑草影さす陽のぬくとさ また来ん春のひょいと芽ぐめる 遠く火がある門へ歩きつめる 音楽あれこれ鳴らす淋しいしらべの
..2017/01/31(火) 22:46 No.711
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