水戸滞在中。 桑の木の伐採5日目。 外に出て庭をぐるりと見回すと、家を囲んでいるブロック塀の上を大量の毛虫がビッシリと列をなして歩いていた。目が悪ければ雪でも積もっているのかと思うほど隙間無く隊列を組んでいる。その列は裏庭の桑の木のあたりから勝手口の前を通過して表の門のあたりまで到達しようとしている。そればかりでなく、隣家の塀の上にも続いている。塀や家の下から這い上がってくるのもいて家のまわりは少なく見積もっても数千匹という毛虫に取り囲まれた。 台風の風で毛虫の巣が崩壊したのか、雨上がりで気温が上がったせいなのかわからないが、とにかくなんとかしなくてはならない。 隣のおばさんとスプレー缶の殺虫剤攻撃をしていくが、手持ちの分はすぐに底をついた。自転車を走らせホームセンターやディスカウントストアで殺虫剤を買い集めて6缶を使いブロック塀にいた大半はやっつけたが、巣の本体があった桑の木やその周辺にはまだまだ残っているようだ。特に木の上のほうには固まってうごめいているが、スプレー缶の噴射では高過ぎて届かない。 そこへ、外出中だった近所のおじさんが帰宅し、肩から殺虫剤の噴霧器を肩にさげて緊急参戦だ。ああ、これで大丈夫だ。桑の木はおじさんにまかせ、ブロック塀にまだ残っている残党を残り少ないスプレー缶とサンダル叩き攻撃でしらみつぶしにやっつけて行く。 風に乗って飛ばされた毛虫もいたようで、はす向かいの家のおばさんが庭で10匹ほど捕まえたという。あらためて自分の家の庭を見てみると、風に飛ばされたヤツが庭のそこここに張っている蜘蛛の巣に何匹か引っかかっていた。他の植木や草の上に飛ばされたヤツには、巣から離れた蜘蛛やアシナガバチが攻撃している。地面でモソモソ動いているやつにはアリが群がり始めた。ありがたいことだ。ここは君たちにまかせた。 毛虫の列を発見してから6時間後、近所隣のおじさんおばさん達、蜘蛛、アシナガバチ、アリなど総動員で、ようやく動いている毛虫は視界から消えた。 B級パニック映画のような経験だったけれど、妙な達成感と充実感のある1日ではありました。 |