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立てかけたギターが倒れかける夏 しずかな映画のしずけさを引き摺る いつしか終わっていた曲と雨ふる きつい煙草をあげた夏の畔 ちぎれた雲がふいとさみしい こんな小さな破片に傷つけられてもう夏だ 雨がぽつぽつ私の罪状 朝がまるで幸福みたいな顔をしやがる 吐いた窓辺に雨がつめたい ふりむくとかなしみばかりある朝光る となりの花壇も眠っている 街も口つぐんでどうしようもない 陽も焼け落ちて傷ほかす場所もない 朝陽射すベランダで今日も死にたい むなしさの数かぞえ朝におびえるばかり こんな奥部屋にまで初夏 明るい寂滅に頬照らされている ふりむく横顔がなつのひかり 傷口いとしい夕暮れの町工場 許されたかった真夏日ふみしめている だんだんと波ひいて足音きこえる 夏晴れにハイライト吹きかけている 橋をわたる娼婦たち緑雨踏みしめる 待ち呆けてほんのり茜空がひびいている 母を傷つけた破片が光る 借りた本返しにいく真夏日の校庭をよぎる 壊れかけの自転車漕いで海にいく死にたい ほんのり日傘をさしている 雨ふりやさしい傷口にふれる
..2020/07/31(金) 21:58 No.801
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