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「海紅」投句板

自由律俳句結社「海紅」の投句板です。同人以外の方もどうぞご利用下さい。
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 ■ 試作
   ++ 聡    
[返信] [引用]

 

春ひとさじ薬包紙にのせる

..2018/03/09(金) 02:50 No.753






 ■ 連投失礼します。C
   ++ 直治    
[返信] [引用]

 

想念やまず終ぞ夜明くる
母が帰つた夜の鍵音
水鳥さへづりのみくれる
よくしやべる母と部屋の暖とる
手さぐり侘びしい火をつのる
暖とる暫しふるへてゐる
おまへが映る夏を溯り
こちら向き柵に手づたいして見てゐる
一日ぐうたらな腹を空かしてゐる
片つぽの鳥が死んだ朝だつた
欠けた月と待たされてゐる
いろいろ見て歩りく町のあかるさ
山のにぎはひはお祭りかへる人ら
ふつくら花弁つけてゐる茎のまがり
ざらつく砂の辺ひそかに咲いた
はやばや冬支度の樹々つらなり
幼子駆けずり昏れてしまつた
明け方けはしく父の念仏
あかね雲遠くへいつてしまつた
そこへ一座の鷺が来た
みかづき夜の星またたく千歳
ほんにあえかにうすべに咲いた
くりかへし落ち葉して役目終へてゐる


..2017/12/07(木) 14:34 No.752






 ■ 連投失礼します。B
   ++ 直治    
[返信] [引用]

 

春へこつそり手紙かいてゐる
脈うつ心臓が春よ来いとばかり
石ころ踏みにじつて他愛ない話し
届かぬ手紙のつたなさ書けなくなる
なにかやり残した瞼うすくあいてる
泳げない鳥で水面はためいてる
嘴ついて波紋つくり居る
川面浅い藻がみんな透けてゐる
光りの中泳ぐ鴨よふりかへる
おそい朝の灰をこぼしてしまつた
燃え殻はかなくも夜の帳
ともかくも存在の影うすく曳いてる
わが身可愛さの湯船あたためておく
暮れてしまつて一つの灯がふらついてる
根も葉もなくて想念夜ふかし
畜生のかなしさ急ぎたまへる
いつしか注いだ水が褪せてくる
飲みさしの底へばりついてる
灯の下ひとへに影つくり
なにも知らない手の握りしめてもみる


..2017/12/07(木) 14:34 No.751






 ■ 連投失礼します。A
   ++ 直治    
[返信] [引用]

 

露けくも瓜の花
湯気をしみじみ冬よおいでなすつた
いまだ幼子のごとく愛されてふるさと
老い耄れて舟よ渚にてしづか
旅の熾火をくれる
はやる心の一服落ちつかせる
やうやく旅の一息ついてゐる
歩くほかない侘しさ歩きつめる
なるべくしかならない旅の草もゆ
湯を浴びしたしく話し込んでゐる
また一つ恥かいて今日も昏れとる
死ねば楽になる体拭いてやる
つましい生活があつて電車立つてゐる
よぞらのとほくで吠えてゐる
夢の余韻ふくふく一服終へてゐる
風にぎやかにへうへうと海晴れる
枝の葉みんな喰はれてゐる
冬のベンチのいなくなつてる
ぬくさうな灯が夕べ置かれてゐる
窓へ帳の一風吹いた
止め処なく水音遠くなる


..2017/12/07(木) 14:33 No.750






 ■ 連投失礼します。@
   ++ 直治    
[返信] [引用]

 

遠山ただに深い影となる
静まりかへるもやの大樹
仕事ひとしきり終へたゆふぞら
やり切れぬ鼓動が脈うつてゐる
のんべんだらり冬深うなるばかり
朝の陽眩しく旅へ出ること考へてゐる
金催促の手紙よこして冬陽あたつてゐる
吹きこぼれてしまつた朝の牛乳
足並そろへて麦の穂ゆたか
どこぞか冬香る此処なふるさと
けさの夢うつとり背伸びするさへ
体動かすしかない馬鹿で冬の汗かく
冬が乾燥してゐる朝の傷固くなつてる
やうやく木枯らしが来てなにか倒された
めつきり冬風となつて雑木林と吹かるる
がたつく机に肘ついて昏れる
冬陽ふりかかる柵にて瞬きいくつもする
一日床にゐて惜しい陽が皆去つてしまつた
一枝の花もなくて冬めくばかり
なんべん来てもおんなじことの朝がぐるり
泣くことも厭はず冬のしぐれか
兄妹ともに金のないこと笑ひあつてる
あつい湯が冷めきつてゐる夜ふける
殴ることこらへて母の小言きいてる
さへづる空もなくて小鳥暇してゐる
誰のものとも知れず口笛きいてゐる
みな働きに出て仕舞い一人貸しきつてる


..2017/12/07(木) 14:32 No.749











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