| TOP | ホーム | 携帯用 | 過去ログ/検索 | 柳美里ファンBBS



【ご利用の前にお読みください】

■本掲示板の書き込みは、管理人によるチェックの後、ページに反映されます。
 そのため、多少のお時間をいただく場合があります。

■本掲示板にはレス機能が付いています。
 関連する話題についてのリプライは「新規投稿」とせず、
 対象書き込みの「返信」を押して同一スレッド内に収めるようにしてください。

■携帯からも投稿&記事の閲覧が可能です。
 携帯専用アドレスは、
http://www.21style.jp/phone.cgi?id=fanbbsです。

■プロキシ経由のパソコン、識別番号を送信拒否に設定している携帯電話からは投稿できません。

 
新規投稿 ] 
  柳さんへ  みずほ2011/04/22(金) 10:55 
ファミリーシークレット読みました  みずほ2011/04/25(月) 11:19 






[ 返信 引用 一覧 ]
柳さんへ
   投稿者: みずほ    
2011/04/22(金) 10:55
No. 2700
 
  柳さん、はじめまして。
デビューされた頃からずっとファンですが、最近読書から遠ざかっており、しばらく作品を拝読していませんでした。

おととい20日、なぜかふと、柳さんの近況が気になり、ネット検索をしたところ、柳さんのブログとこちらのサイトを見つけました。
ブログを読んで驚きました。20日は東さんの命日だったのですね。
知りませんでした…何かに導かれたとしか思えません。

そして、ブログでの虐待騒動から、「ファミリーシークレット」出版までの経緯も、ネットではじめて知りました。
誤解でしたら申し訳ないのですが、一連の経緯は、「ファミリーシークレット」の販売戦略としてはたいへん見事だと思いました。
皮肉や批判ではなく、実際私も、読んでみたくて矢も盾もたまらず、早速注文しました。
ブログや週刊誌の取材、テレビ出演などすべてが柳さんの表現活動であり、その結果人々が、毀誉褒貶含めて柳さんの動向から目を離せなくなるならば、それは表現者としては、大成功といえるのではないでしょうか?

私は、柳さんの、ご自身の存在すべてを賭けた表現活動に、いつも畏敬の念を覚えております。
「私の闇で、あなたの闇を照らしたい」それができる希有な存在として、私にとって、また人々にとってかけがえのない存在だと感じています。

実は私は、少女時代に、神戸児童連続殺傷事件と同質の事件を起こしており、殺人には至らなかったので大事にはならなかったのですが、数人の友人を、精神的にも肉体的にも傷つけた過去があります。
おそらく、少年と同じ性衝動を持っていましたが、早めに発覚したことと、女性であったことが幸いして、現在は夫と子供とともに平凡に暮らしています。
でも、あの事件が起こってから、私の少女時代について書くことが、社会が犯人の少年を理解する一助になるのではないか…という考えが頭から離れません。
しかし、「やっていない」と言い張った私を信じてくれている両親や、家族のことを考えると、とても書くことができない…何よりも、自分を見る世間の目が変わることが恐ろしいのです。

柳さんは、ご自身をあえて反道徳的なポジションに置くことで、人々の闇を照らしていらっしゃる。
本当に尊敬します。
勇気と潔さが、私には清々しく見えます。

「ファミリーシークレット」明日届くと思います。
楽しみに読ませていただきます。

 
ファミリーシークレット読みました  返信 引用
  投稿者: みずほ    ..2011/04/25(月) 11:19  No.2701
  二日間肌身離さず、育児と仕事の合間に、それこそ車の中で信号待ちのつかの間にも読み続け、今朝読了しました。

刊行されてすぐに読まなくてほんとうに良かった。
もし当時読んでいたら、柳さんの自殺を本気で心配しなければならなかったでしょう。
残酷な本でした。
「作家・柳美里」の死を意味する内容だと感じました。

柳さんは、私の中では三島由紀夫と似たところがあると感じています。
虚構の中で生き、虚構の中でしか生きられなかったひと。演技でしか、自分を表現することができなかったひと。感情や現実感を、最後まで自分のものとして感じられなかったひと。
その空虚を埋めるには、書くしかなかった…三島由紀夫はそういう作家だと思っています。
そして、「作家・三島由紀夫」を完遂するためには、ああいう死に方しかできなかった。

私の人生も、父の嘘(欺瞞)の上に始まりました。
正しくは、父の実母の欺瞞が発端です。
実母の愛情を疑いたくないがゆえに、その欺瞞を共有した父。
その父の欺瞞を共有した、妻である私の母。

父は、表現者です。彼が自分の嘘に気づくことは、死ぬまでないでしょう。
気づいたら、きっと父は生きて行けない。
だって、父の70年を超える歳月は、その嘘に支えられて成り立ってきたのだから。

私も、(子供の頃は)表現者でした。やはり、虚構のなかで生きていました。
嘘つき、虚言症…それはまさしく私のことでした。
でも、現実世界と親しくすることを選んだ結果、書くモチベーションを失いました。
今、私は現実の手触りを愛おしみ、幸せな日々を過ごしています。
一瞬にして宇宙の果てまで我がものにできる、空想の翼は失ってしまいましたが。

どちらが幸せなのか、私にはわかりません。

でも、「ファミリーシークレット」を書いて一年…こうして今、柳さんは生きていらっしゃる。
今、どんな思いでいらっしゃるのでしょうか。
先ほど、柳さんは三島由起夫に似たところがある、と書きましたが、三島由紀夫に似ているのは、どちらかというと柳さんのお父様のほうで、柳さんは、現実との折り合いをつける時点で苦しんでいらっしゃるのかなと、ふと思いました。
作品から、血や肉や痛みを感じさせるという意味で、柳さんはより「生」に近い場所にいらっしゃると思います。
柳さんはもしかしたら、虚構と現実などという垣根を越えて、新しい表現を作っていかれる方なのかもしれない。

作家・柳美里の再生を信じて…
これからのご活躍を楽しみにしています。


追伸:「魂の殺人」だいぶ前に私も読みました。ユルゲン・バルチュの章では、泣けて泣けて仕方がありませんでした。
また、動物好き(とくに、リクガメ)であったり、清志郎がお好きだったり、何かと共通点があることを知って、嬉しくなりました(^_^)
これからも応援しています!






     + Powered By 21style +