|
ここ最近は日本でK-POPが人気であり、世界でも人気上昇中だということが報道されがちです。しかし日本のポップミュージックやアイドル系のコンテンツもまだまだ強く、K-POP以上の人気を博しているものも存在します。
現在、世界中で話題になっている日本の音楽がYOASOBIです。2023年4月に発売された新曲「アイドル」が米ビルボードのグローバルランキング (米国除く)で第1位に輝きました。
これはJ-POPの枠をはるかに飛び越え、日本の音楽として初の快挙を成し遂げているのです。2023年9月の時点でYouTubeでは3億回以上も再生され、世界で人気ランク4位のミュージックビデオクリップになっています。
この「アイドル」は単行本で900万部以上を売り上げた漫画「推しの子」アニメ版の主題歌です。ところで、YOASOBIがなぜ海外でこんなに人気なのでしょうか。まずアニメとのコラボという点がもっとも重要です。
現在、世界ではさまざまな合法アニメ配信サイトがあり、海外の視聴者はほぼリアルタイムで日本の最新作を観ています。「推しの子」は大ヒット作のひとつであり、いまや日本の曲で流行るものはその多くがアニメ関連です。
日本のアニメはコンテンツとしてまだまだ強く、世界的な訴求力があるのです。アメリカやヨーロッパの映画やドラマがポリコレだらけでストーリーにおもしろみがないなかで、日本のアニメはそれらを無視した独自の世界観やおもしろさがあります。
ほかの文化圏から隔離されているからこそのおもしろさです。メロディが次々に変調し、ほかの先進国の音楽ではみられないような独特なコード進行のユニークさがあるのも重要です。ほかの国のメロディからするとかなり複雑ですが、最近のJ-POPではよくみられるパターンも登場します。
とはいえ、ほかの国の人からすると独特でユニークかつ耳に残りやすいのです。欧米のロックやポップはメロディが日本よりも硬直的で、途中にラップ調の部分もあり、メタル的、ロック的、バラード、ラップが混在しています。
このように多様な要素がひとつの曲に含まれた柔軟性は、昭和の歌謡曲やJ-POP海外の人が聴くと指摘されてきたことであり、これはよく知られています。西洋の伝統的かつ音楽的な背景を無視して自由にメロディを創り上げるので独特なのです。
次に中毒性があり、速いが独自のビートです。これは「歌ってみた」「踊ってみた」で自分の歌や踊りを投稿するのにたいへん向いているビートです。特に最近のネット動画では短くインパクトがあるものが受けやすいので、こういった速いビートで耳に残りやすいものが聴衆を虜にするのです。
|
|