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  胃がんの最大の危険因子  仲條拓躬2025/08/07(木) 08:25 
  日本VS米国・自存自衛の戦争  仲條拓躬2025/08/07(木) 08:23 
  呼吸の不思議  仲條拓躬2025/08/05(火) 15:22 
  平和運動とは  仲條拓躬2025/08/05(火) 15:15 
  寝る前に食べると太る理由  仲條拓躬2025/08/04(月) 19:07 
  体重を減らしたければ  仲條拓躬2025/08/04(月) 19:06 
  間食の効能について  仲條拓躬2025/08/04(月) 18:37 
  現代の格差社会に生まれた若者  仲條拓躬2025/08/04(月) 18:08 
  テスラの一人勝ち  仲條拓躬2025/07/28(月) 18:52 
  JERAの奥田久栄副社長の考え  仲條拓躬2025/07/28(月) 18:50 






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胃がんの最大の危険因子
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/07(木) 08:25
No. 7937
 
 
癌とは、何らかの遺伝子の変化によって細胞が無秩序に増殖する病気のことです。周囲の臓器を破壊するなどして大きくなり、時に命を脅かします。多くのガンは、さまざまな要因が重なってできていて、原因は単一ではない。とはいえ、それぞれのがんについて罹患リスクを上げる危険因子は多く知られています。

例えば、肺がんは喫煙者に多いがんです。喫煙者の肺がんは非喫煙者より4.8倍も多く、喫煙は肺がんの最大の危険因子です。ちなみに、喉頭がんは5.5倍、食道がんは3.4倍、喫煙者に多いです。では、胃がんはどうだろうか?

胃がんの危険因子としては、食塩や塩蔵品が知られています。塩蔵品とは、漬物のような塩漬けの食べもののことです。また、喫煙が胃がんリスクを高めることも知られています。だが、近年、もっと大きく、かつ確実な危険因子の存在が明らかになりました。

ヘリコバクター・ピロリ (以下、ピロリ菌)という細菌です。胃にピロリ菌が感染すると、胃の粘膜に慢性的な炎症を引き起こします。長い年月を経て萎縮性胃炎と呼ばれる胃粘膜の萎縮に発展し、胃がんが発生しやすい状態になると考えられています。

ピロリ菌に感染していても必ず胃がんになるわけではなく、ピロリ菌感染は一つの危険因子である。とはいえ、感染者の胃がんリスクは非感染者の15〜20倍以上であり、ピロリ菌感染のない胃がんは1パーセント以下とされています。

では、ピロリ菌はどのように人に感染するのだろうか?実はほとんどが家庭内感染です。乳幼児期に、親から口を介した感染が多いのです。一方、大人になってからは、キスなどによる感染や食事による感染はないとされています。

胃にピロリ菌がいるかどうかは、さまざまな検査で調べることができます。よく行われるのは、尿素呼気試験という検査です。尿素を含む検査薬を飲んだあと、口から吐く息を調べるものです。ピロリ菌は、尿素を分解するという特徴を持っています。

尿素が分解されてできるのが、二酸化炭素とアンモニアです。よって、胃の中にピロリ菌がいれば、検査薬中の尿素が分解され、発生した二酸化炭素が呼気に含まれます。逆にいえば、この二酸化炭素を検出できれば、ピロリ菌の存在を証明できるのです。

ところが、ピロリ菌感染の有無にかかわらず、そもそも誰の呼気にも二酸化炭素は含まれています。どのようにして、「ピロリ菌が発生させた二酸化炭素」を識別すればいいのだろうか?実は、検査薬の尿素中の炭素原子Cを、同位元素であるに置き換えておき、1CO2を検出するのです。

自然界には、質量の異なる炭素原子Cが複数種類あり、約99%があります。したがって、検査薬を内服した後、呼気に含まれる二酸化炭素にCO2が多ければ、ピロリ菌の存在を証明できるのです。もちろんは人体に害はありません。

ピロリ菌は、胃がん以外にも胃のポリープやリンパ腫、胃・十二指腸潰瘍など、さまざまな病気と関連しています。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因は何かと問うと、多くの人が「ストレス」や「暴飲暴食」と答えますが、実は95パーセント以上が「ピロリ菌か痛み止め」です。ピロリ菌が発見されたのは、1982年のことです。

それまで、胃の中に細菌は生息できないと思われていました。pH1という極めて強い酸性の環境だからです。だが、オーストラリアの医師、ロビン・ウォレンは、胃に未知の細菌が存在することに気づき、培養を試みました。この細菌が生きていることを証明するには、培養して増やす必要があるからです。

この研究には、同じくオーストラリアの医師であるバリー・マーシャルも加わりました。培養は、胃の表面をこすりとって得た検体を培地の上に撒き、細菌が増えるかどうかを確認することで行う。培地とは、細菌が生きるのに必要な栄養を豊富に含む素材のことです。

ところが、予想に反して実験は難航しました。何度試みても、細菌は培地の上で全く増えなかったのです。彼らを成功に導いたのは、一つの偶然でした。復活祭の休暇を取ったマーシャルが、うっかり5日間も培地を放置してしまったのです。

意外なことに、この長期間の培養が決め手になったのです。増殖スピードの遅いピロリ菌は、彼の休暇の合間を利用し、培地の上に見事な塊をつくったのです。顕微鏡で観察すると、そこにはこれまで報告されたことのない、らせん状の細菌が存在していました。

ウォレンとマーシャルは、らせん状 (helical) の細菌(bacteria) であることと、幽門 (pylorus)に存在したことにちなみ、この細菌をヘリコバクター・ピロリ(helicobacterpylori) と名づけたのです。

とはいえ、胃にピロリ菌がいるというだけでは、病気の原因になるとは言い切れません。ピロリ菌が本当に胃の病気を引き起こすのか。それを証明するためにマーシャルが行ったのは、自らの体を使った人体実験でした。

1984年、マーシャルは、ピロリ菌が胃炎と関連することを証明するため、自らピロリ菌を飲み込んだのです。その結果、ひどい胃炎と胃潰瘍を引き起こしたため、これを論文として報告したのです。細菌の存在に懐疑的だった周囲の人たちを納得させるのに十分な結果でした。

のちにピロリ菌は、胃がんを含めさまざまな病気とかかわっていることが知られ、公衆衛生に与える影響が非常に大きいことがわかってきたのです。ウォレンとマーシャルは、ピロリ菌を殺す除菌療法の研究も行いました。

現在は、2種類の抗生物質と一種類の胃薬を1日2回、1週間内服するという除菌療法が行われている(3剤が1パックになった製品がある)。マーシャル自身も併用療法を受け、ピロリ菌の除菌に成功したといわれています。2005年、マーシャルとウォレンは、これらの功績によってノーベル医学生理学賞を受賞しました。

ところで、なぜピロリ菌は強酸性の環境でも生きられるのだろうか? 実はそのヒントは、これまでの説明の中にあります。ピロリ菌は、アルカリ性であるアンモニアを産生するため、自らの周囲の強酸を中和できるのです。敵もさるもの。厳しい環境で生き延びるため、独自の進化を遂げていたのです。

 





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日本VS米国・自存自衛の戦争
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/07(木) 08:23
No. 7936
 
 
昭和16年、日本政府が野村吉三郎海軍大将を米国大使としてワシントンに派遣しました。野村吉三郎は第一次世界大戦のとき、米国に海軍武官として着任していた時に、ルーズベルトが海軍次官をしていたので、親交があったのです。ですから、日本では野村吉三郎をワシントンに送って、外交で米国の気持ちを何とか和らげようとしたのです。

日本は全くお人好しなことに、陰では米国と英国の間で打ち合わせが進行していたことに気がつかないのです。さらに、米国はスペシャル情報というのを持っていました。これは日本の外交機関の交信する暗号電報をすべて解読したものです。

米国の暗号解読機関が日本の外交機関の暗号通信を解読して、重要な点をレポート形式にまとめて、ルーズベルトを初め米国の一部だけに知らせていたので米国からすれば、日本が何を考えてどうするつもりなのか、全て筒抜けだったわけです。

日本は近衛内閣も陸軍も海軍も、本音を言えば、米国のような大国と戦争はしたくない。だから米国と妥協するために真剣に外交交渉をやりました。これは否定できない事実だと思います。但し、北部仏印や中国から軍隊を引き上げ、蒋介石の国民党政府を承認するという、米国の要求は受けられない。それは事実上の敗北宣言だからです。

軍部の威信が大きく低下する。これまで中国で戦い、戦死した遺族に顔向けできない。国粋団体や新聞や国民が収まらない。過激な青年将校がクーデターに走るかもしれない。軍部はこれまで勇ましいことを言い続けてきましたから、後に引けなくなっていたのです。

ここで唯ひとり指導力を発揮できる立場にあったのは昭和天皇だけでしょう。昭和天皇が終戦時の御聖断のように、米国との戦争はどうやっても勝ち目がないのだから、米国に譲歩しなさいと英断を下し、国内で混乱が起これば、威厳令で乗り切ってしまう、というような方法です。しかし、天皇は内閣に決定をゆだねている。

内閣も天皇を悩ませてはいけないので、天皇に決定権をゆだねるのは止そうと考えています。そして内閣では譲歩したくても、東条陸将が譲歩はだめだと頑張っている。天皇の次に決定を下せるのは東条陸将ですが、東条は強行突破を唱えています。

ここでルーズベルトが譲歩してくれればいいのですが、「ワルに譲歩することは、ワルの共犯者だ」というのがアメリカの正義ですから、譲歩してくれません。それどころか、日本に対して強気で迫る事が、日本の侵略行動を止める事だと自国を正当化しているのです。

ワシントンで延々と交渉が行われている間にも、米国は戦争に備えて軍備の拡張計画を作り、陸軍を補充し、大西洋では英国人への支援の度合いを強めていました。中国にも軍事顧問団を送って事実日本軍を攻撃しています。

日本の陸海軍は、「1年後には、米国の戦争体制が立ち上がり、日本は歯が立たなくなるだろう」と焦ります。そこで今、米国との戦争に踏み切るならば、石油があり、米国の準備が整わない、できるだけ早いほうが有利であるということから、11月をメドに戦争の準備に入るのです。

昭和16年7月28日、日本軍は対英米戦を睨んで南部仏印に軍事進駐します。米国との和解の交渉を続けながら、その一方で軍事進駐をするのですから、関係改善どころではありません。米国は日本への石油の全面輸出禁止で応えます。この南部仏印進駐はじつに愚かしい行いでした。

英米との戦争になることを見越して、戦略上の要所を抑えておこうという判断から行われたもので、戦争に備えて先に有利な地域を取っておこうというのですから、米国の態度は硬化するばかりです。そのおかげで日本は石油を絶たれ、戦争に打って出るほかはなくなってしまった。選択の道がなくなってしまったのです。

結果、日本は自存自衛のため戦争に負けましたが白人によるアジアの長年に渡る植民地支配にビリオドをうち、天皇も日本国もが言い続けてきた人種差別問題にもメスを入れる事が出来たのです。結果、日本国が行った好意は新しい平等な時代への幕を開いたのです。日本の子供達は萎縮して謝罪するだけでなく誇りを持つべきだと思うのです。

 





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呼吸の不思議
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/05(火) 15:22
No. 7935
 
 
心拍動は自力で止められないのですが、呼吸は自力で止められます。もちろん、いつもより深く、意識的に深呼吸することもできるし、時には大きく息を吐き出して「ため息」をつくこともあります。呼吸というのは、心拍動よりはるかに「自由が効く」 活動なのです。だが、我々はいつも自分の意図で呼吸をコントロールしているわけではありません。

「今日は1分に18回呼吸しよう」などと思って呼吸する人はいないでしょう。ほとんどの場合、呼吸は無意識に行われているのです。人差はありますが、呼吸の回数は1分間におよそ12〜20回、1日に約2・5万回、1年で約1000万回、一生で約8億回にもなります。また、自由に呼吸を止められても、永遠に止めていられるわけではありません。

せいぜい一分もすれば苦しくなり、再び呼吸せずにはいられなくなります。激しく運動すれば、意識せずとも自然に呼吸は速くなります。つまり呼吸とは、ほとんど「自動」で、しかしある程度は「手動」でコントロールできる、不思議な活動なのです。一体、どのようにしてこのしくみが維持されているのだろうか?

まず、呼吸を自動的にコントロールする中枢は、脳幹というところにあります。この呼吸中枢が血液中の酸素や二酸化炭素の量(分圧)、pH (酸性・アルカリ性の程度を一定に保つため、呼吸のリズムを規定してくれます。呼吸を止めても。

また、心臓から出てすぐの大動脈弓と呼ばれる部位と、首の太い動脈である頸動脈には、血液の酸素・二酸化炭素分圧・pHの変化を検知する器官があります。これらはいわば前線にいる偵察隊です。それぞれ「大動脈小体」「頸動脈小体」と呼ばれています。この偵察隊が、司令官である脳幹に戦況を伝えるのです。

このしくみを解明したベルギーの生理学者コルネイユ・ハイマンスは、1938年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。一方、我々が「考える」ときに使うのは大脳皮質です。好きなように息こらえをしたり、深呼吸したりできるのは、大脳皮質も呼吸運動を制御できるからです。これを随意的呼吸調節という。

そして、呼吸を止めてもいつか耐えられなくなるのは、呼吸中枢の指令が大脳皮質の指令より優先されるようにできているからです。呼吸中枢は生命に直接かかわる機能を担うのです。これを大脳皮質に任せるような「危なっかしい」しくみにはなっていないのです。では、実際どのようにして肺で空気の出し入れを行っているのだろうか?

肺そのものに膨らむ力があると思われがちですが、実はそうではないのです。肺は単なる風船のようなもので、それ自体が変形する力を持っているわけではないのです。ペットボトルを中ほどで切り、底に膜を張った模型を想像してみよう。上部の口は開いていて、二つの風船と空気の出入りが可能な状態です。

この模型での風船が肺で、風船につながる二股の管が気管、底の膜が横隔膜、ペットボトル内は胸腔と呼ばれる空間に相当する。底の膜を下に引っ張ると、ペットボトルの中の気圧が下がります。すると、それに釣り合うように外から風船に空気が入ってきます。

風船の中の気圧がペットボトルの内部の気圧と等しくなるまで風船は膨らむ。これが空気を吸うときの動きです。逆に、底の膜を引っ張る手を緩めると、ペットボトルの中の気圧がもとに戻り、風船の中の空気が自然と外に出ていく。これが空気を吐くときの動きに相当する。

つまり、肺自体が「自力で」大きさを変えるのではなく、胸腔内の気圧に合わせて肺が自然に膨らんだりしぼんだりしているのです。激しい運動時は、肩の筋肉も胸郭を広げるのに使われます。全速力で走り込んだ運動選手が、肩を上下させる様子を想像するとわかりやすいでしょう。

この呼吸運動に関する情報は、知覚神経を通して呼吸中枢に伝わり、呼吸リズムの調節に利用されます。「今はどのくらい吸った状態なのか、あるいは吐いた状態なのか」をリアルタイムに認識し、適切に指令を出す必要があるからです。

なお、横隔膜は薄い「膜」として描かれ、名前にも「膜」が入っているのですが、実際には分厚い筋肉です。 焼肉でいえば、横隔膜は「ハラミ」です。ロースやカルビと同じように、いかにも見た目が「筋肉らしい」ことを思えばイメージしやすいでしょう。

前述した通り、臓器をイメージするときは、焼肉のメニューを想像すると極めてわかりやすいです。人間もまた、自然界に多く存在する脊椎動物の一種にすぎず、臓器の姿形は他の動物とよく似ているからです。

外科医は、手術を受けた人やその家族に、切除した臓器を見せます。特に、切り開いた小腸や大腸を見た人は、まさにその姿が「ホルモン」そっくりであることに、妙に納得するものです。人間の臓器を見るのが初めてでも、目の前の実物は全くもって既視感のある姿をしているからです。

 





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平和運動とは
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/05(火) 15:15
No. 7934
 
 
地球の恵みを戦争によって奪い合ってきた文明のあり方に終止符を打たなければならない時が来ました。文明の悪を浄化し地球の恵みを人類の福祉と地球の再生に向け、地球は一つという、宇宙に開かれた惑星に目覚めなければならないでしょう。

文明の故郷を持つイランとイスラエルがぶつかるほど愚かなことはない。対話する勇気があれば、理解の門を開くことができます。中東問題の争いのひとつあるユダヤ教・キリスト教・イスラム教は同じアブラハムを祖にもつ。

奇しくもカナンを求めてきたアブラハムの出生はイラクにあるウルの地です。きっとそこに和合のヒントがあるのでしょう。戦争でしか物事の解決が出来ない人々に新たな方法を知らせなければなりません。

平和の理知と対話によって解決していく方法を知らせていかなければなりません。戦争が悪と知りつつも人類には刺激を求めてしまう本能があります。世間にはバイオレンスの戦争映画やゲームが溢れています。

刺激に麻痺した心を解放する感動が平和運動になければ、人々はそこに魅力を見出せなくなってしまいます。極端に言えば、死んだ平和運動より、生きた戦争の方が人類にとって本能を刺激するのかもしれません。

それならば、戦争の刺激を超える感動のある平和運動を創れば良いのではないでしょうか。イランは、アメリカと平和のために深く対話をし、武装解除を国連の名のもとに行う。同時に人類の未来のために世界各国に対しても武装解除を呼びかける。

国連が、アメリカやあらゆる国家から独立した真の平等な正義を行使できる機関となるように、国連運営費の支援としてイラクの石油利権の一部を提供する。自らを絶対という意志を持つユダヤ教・キリスト教・イスラム教をはじめ、世界のあらゆる宗教に対して、争いをやめ、絶対同士の共生を呼びかけるのです。

 





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寝る前に食べると太る理由
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/04(月) 19:07
No. 7933
 
 
夕食から睡眠までの時間が2時間以内だとBMIが大きくなることが知られています。夕食から入眠までの時間が近いことが肥満の要因になる理由は主に3つあります。1つ目は、食事で摂ったエネルギーを筋肉などで消費する前に寝てしまい、余分なエネルギーが蓄積されてしまいます。

2つ目の要因は、食事をすると血糖値が上がりますが夜は眠りを誘う睡眠ホルモンとして知られているメラトニン分泌が起こることによって、血糖値を下げるインスリンの分泌が悪くなり、血糖値が下がりにくくなることです。この高血糖は脂肪合成に使われるのです。

3つ目の要因はBmall遺伝子です。 時計遺伝子のBmallが脂肪細胞に脂肪をため込むことを促進させることが、細胞実験でわかっています。そのBmallは夜に活発になるので、夜間に脂肪をため込みやすいと考えられています。

我々は、朝食に和食を摂るか、洋食を摂るかという食習慣と睡眠リズムの関係について調べた結果があります。株式会社askenの食事管理アプリ「あすけん」の利用者を対象に、朝食習慣について年齢別にWEB上で質問をしています。

質問は、まず朝ごはんの内容を尋ねるもので、@和食、A和食と洋食が半々程度、B洋食、Cシリアル・栄養補助品、D欠食、の選択肢としています。その結果、2663人の女性の回答では、和食が636人、和食・洋食390人、洋食782人、シリアル608人、欠食245人、その他2人となりました。

次に、平日と休日の就寝や起床時刻と、それぞれの食事パターンの関係を調べると、平日でも休日でも、早寝早起きの傾向が、和食、和食・洋食、洋食、シリアル、欠食の順番に現れていました。和食と洋食の間には統計的に有意差が見られました。

睡眠の長さは食事パターンの影響を受けていませんでしたが、年齢が高くなるにしたがって早寝・早起きになっています。また、食事パターンによる特徴的な年齢構成は見られませんでした。また、食事パターン別に、朝食時のタンパク質の種類別の摂取の違いについて調べています。

その結果、和食群や和食・洋食群は魚類、大豆類、卵の摂取が高いという結果が得られました。また、洋食群とシリアル群は乳製品の摂取が高くなりました。 それぞれのタンパク質を摂取する人の割合は、乳製品が圧倒的に高く、次に卵、大豆、さらに肉、魚と続きました。

この調査では、朝食が和食群の人は平日でも休日でも早寝・早起きの習慣がついている人が多く、シリアル群や欠食群では遅寝遅起きの習慣となっている人が多いことも明らかになりました。和食・洋食群は、見事に和食群と洋食群の間に位置していました。年齢的にはシリアル群と欠食群は若年層に多いという特徴がありました。

また、魚、大豆、卵の3種のタンパク質を摂取する人は、圧倒的に和食群や和食・洋食群に多く、和食群は洋食群に比較して魚、大豆、卵と、バランスの良い食事が摂れている傾向が見られました。「早寝早起き朝ごはん」は「朝ご飯」であり、毎日「朝パン」「朝シリアル」では難しいのかもしれません。

また、同様の調査で、20代から60代までの女性約1万4000名を対象に和食、和食・洋食、洋食、シリアル食ごとに、アプリによる食事記録から、カロリー、3大栄養素、ナトリウム、カリウム、食物繊維の摂取量を朝食、昼食、夕食ごとに調べ、BMIや収縮期血圧との関連性などを調べています。

結果として、シリアル食が栄養素のバランスに優れ、ナトリウム(食塩)が少なくカリウムが多いという好ましいバランスであることがわかりました。食塩の摂取量が少なめのシリアル群は、血圧が低めのグループの人の割合が有意に高くなりました。ただ、ややボリューム不足であり、朝食欠食の人ほどではないにしても、体内時計の夜型化に注意する必要があることがわかりました。

 





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体重を減らしたければ
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/04(月) 19:06
No. 7932
 
 
朝食と夕食の比率を変えて、肥満者の体重減少を狙った研究があります。朝、昼、夕の摂取エネルギーを700、500、200(M)にした群と、200、500、700(kg)にした群とで、明らかに朝の食事にウエイトを置いた前者の群の方が体重減少や腹囲の減少が見られました。

また、肥満の疫学調査で、夕食の高カロリー摂取が肥満のリスクになることがわかりました。さらに、朝食を抜いて昼・夕の2食にした場合、朝食を欠食することによって昼食時や夕食時に食欲が増進することになり、高カロリーの食品を摂取しやすくしてしまいます。あるいは朝食を欠食することによって活動量が低くなる傾向があります。

これらのことから、朝食を抜くことは、やはりメタボリックシンドロームの危険因子になってきます。また別のWEB調査研究では、20代、30代、40代、50代の男女それぞれ150名、合計1200人に、1日の食事を100としたときの朝食:昼食:夕食の割合について質問しました。その結果から、平均的に20:35:45となりました。

この夕食の45のうち1を朝食に回し、朝食: 昼食:夕食の割合を30:35:35にするだけでも、おそらくより健康的になることが推測されます。朝から昼にウエイトを置いた食事パターンと、昼から夕にウエイトを置いた食事パターンでは、末梢時計の位相が大きく変わる可能性があります。

後者のパターンでは、末梢時計の夜型化を助長し、主時計との位相差が大きくなり、このことが肥満要因や健康に悪い影響を及ぼす要因になる可能性があります。厚生労働省発行の令和元年版「国民健康・栄養調査報告」によると、エネルギー比率で朝・昼・夕の割合は、24% 30% 46%であり、やはり朝食は夕食の半分程度です。

高度肥満者や肥満者は朝食の割合が低く、夕食の割合が高いという結果も出ています。また、朝食の割合が低い人は、トーストのみ、ジュースのみ、菓子パンのみの食事でも朝食と認めるという傾向が見られました。

一方、そうではなく、朝食というのは和食のご飯・味噌汁・焼き魚という組み合わせや、洋食のトースト・卵・サラダという組み合わせなどが典型的なパターンであると認識している人は、食の割合が低い人から高い人まで多く見られました。

さらに睡眠パターンも併せた本調査結果では、平日の睡眠不足が肥満の要因になることが明らかにされています。このことから、平日の睡眠不足が起床時の慌ただしさにつながり、朝食として十分な質量の食事が摂れなくなると、それが肥満のリスク要因になり、健康維持に不利に働く可能性が示唆されます。

 





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間食の効能について
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/04(月) 18:37
No. 7931
 
 
昼食から夕食までが長時間になる人が、午後4時頃におやつを食べるという設定で説明します。おやつを食べずに夜遅い晩ごはんを摂ると、晩ごはんまでに脂肪の分解が促進され、分解されてできる脂質の成分である遊離脂肪酸が血中に増え、この遊離脂肪酸がインスリン血糖を下げる働きのあるホルモンの働きを妨害するので、インスリンが効きにくい、すなわち高血糖が起こります。

ところが絶食を解消すべく間食を摂って血糖値をある程度上げると、遊離脂肪酸が出ず、インスリンが効いて高血糖になることは免れます。間食を摂ることで、インスリンの作用を補足するようなインクレチンと呼ばれる消化管ホルモンが出て、夕食時にインスリンの働きを強めてあげられるのです。

あるいは、間食を摂るので筋肉でのブドウ糖の取り込みに準備ができている状態となり、いざ夜遅く食べても筋肉にブドウ糖が運ばれるので血糖上昇を起こさないということも起こります。

一般的に、間食には食物繊維が多い方がセカンドミール効果が出やすいことから、食物繊維が腸内細菌に影響し、その代謝産物などが糖の代謝機構やインスリンの分泌や働きに影響を及ぼす可能性も考えられます。昼食と遅い夕食の間に間食を摂ると、夕食の血糖値にどのような影響が出るかを調べたものがあります。

被験者には24時間血糖測定装置を腕に装着してもらい、昼食と夕食との間食で、大麦若葉の乾燥粉末あるいは桑の葉の乾燥粉末3gを水に溶かして、クッキーと一緒に摂るという実験を行っています。

昼食と夕食は8時間空け、昼食から4時間経過したときに、クッキーのみを食べる場合、クッキーと桑の葉ジュースを摂る場合、クッキーと大麦若葉ジュースを摂る場合、あるいは間食を摂らない場合、の4パターンを2週間の間にランダムに行っています。4パターンのいずれかの間食を摂るときは夕食も規定食を摂ってもらうようにしています。

まず、間食時の血糖値は、クッキーのみを摂った場合が一番高く、次に、桑の葉も摂った場合、大麦も摂った場合の順に高く、間食なしでは、90g/d程度という低い血糖値のベースを保ったままでした。

次に夕食時の血糖値についてですが、間食を摂らなかった群が、夕食は規定食で同じものを食べているにもかかわらず、一番の高血糖になり、次に高血糖になったのは間食時にクッキーのみを摂った場合でした。 桑の葉や大麦若葉を間食で摂った群では、間食なしの群に比較して夕食時の血糖は有意に低下しました。

その次に、間食で高血糖を防ぐことができると夕食時の高血糖も防ぐことができるのではないかと考え、間食時血糖値と夕食時血糖値の相関を取っています。そうするとまったく相関しないことがわかり、それぞれの現象は独立に動くものと考えています。

さらに、間食なしで規定食を夕食に食べたとき高血糖になりやすい9人と、高血糖になりにくい9人について、セカンドミール効果を調べています。その結果、高血糖をきたしやすい人ほどセカンドミール効果が現れやすく、桑の葉や大麦若葉と一緒に摂取するとより効果が大きいという結果となっています。

このときの高血糖になりやすいグループの人は、BMI(ボディマス指数:体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数)が低く痩せ気味という傾向がありました。また高血糖グループの人は多くが夜型でした。

つまり、この実験での高血糖グループの人は、夜型で痩せ気味で、夜の食事で高血糖になりやすいタイプだったわけですが、そういう人は食物繊維が多い間食を摂れば、夜の高血糖を予防できる可能性が高いのではないかと考えられます。

 





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現代の格差社会に生まれた若者
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/04(月) 18:08
No. 7930
 
 
今、歴史に残る強欲な人物が世界を混乱に陥れています。 強欲な人物は話し合いによって問題を解決しようとするのではなく、力をもって自分自身の主張を押し通そうとします。多くの人が傷つき、命を落としていったとしてもまったく気にしないのです。

力による支配は社会を分断します。2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。ある書物には、侵攻前からイギリスとアメリカの国内で起こった分断のことが書かれていました。イギリスではEUからの離脱を巡って2016年6月23日に国民投票が行なわれ、大方の予想に反して離脱派が勝利を収めたのです。

一方、アメリカでは2016年の大統領選挙で、やはり大方の予想に反してドナルド・トランプが勝利しました。いずれもわずかな差での勝利であり、国民の間に大きな分断を残す結果となったのです。書物は Paul Collier and John Kay, Greed is Dead: Politics after Individualism (Allen Lane, 2020)の日本訳です。

書物が出版された2020年7月は、ちょうど新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、イギリスやアメリカでも多くの人たちが亡くなっていった時期でした。アメリカでもイギリスでも新型コロナに立ち向かうため、社会の分断を乗り越え、人々の連帯が求められ、それまでの行き過ぎた個人主義の時代が変わろうとしているように思われました。

その後、2021年1月にジョー・バイデンがアメリカ大統領に就任し、2022年9月にはイギリスでボリス・ジョンソンが首相を辞任しました。日本では2021年10月に「新しい資本主義」を掲げる岸田文雄内閣が成立したことも、時代が変化しつつあることを告げているように感じられました。

しかし、2022年後半の時点で、アメリカでは依然としてトランプ前大統領への支持が強く、イギリスでは新しい首相が2か月ももたずに辞職し、日本では国葬をめぐって分断が起こり、「新しい資本主義」の姿は見えず、内閣支持率は低迷していました。イギリスとアメリカで起こったような社会の分断は日本でも起こっていたのだろうか。

トランプが大統領選挙に勝利し、まだ大統領に就任する前に真っ先にトランプ氏の私邸を訪れ、54万円のゴルフクラブをプレゼントした安倍晋三元首相は、ポピュリストのトランプやジョンソンに似ているようにも見えますが、能力主義を推し進めたという点では違うようにも思われます。

書物の内容は、マイケル・サンデル『実力も運のうち能力主義は正義か?』(早川書房、二〇二一年)の内容と驚くほど似ています。 どちらも能力主義 (meritocracy) を批判し、コミュニティの重要性を主張しています。

違いは、サンデルがトランプの大統領就任とブレグジット(イギリスのEU離脱)能力主義の時代の終わりと捉えるのに対して、コリアーとケイは書物で極端な個人主義の時代はまだ続いていると考えています。

いずれの本も、能力主義の世界を「ディストピア」として描いたマイケル・ヤングの『メリトクラシー』(講談社エディトリアル、二〇二一年)を引用します。「能力が物を言う社会で、何の能力も持たないと判断されるのはとてもつらいことである。下層階級の人たちがこれほど道徳的に丸裸にされたことはかつてなかった」(118頁)。

労働者の政党であったはずのイギリスの労働党もアメリカの民主党も、能力主義を採用したために労働者の支持を失う一方、切り捨てられた労働者を味方に付けたのがトランプであり、ジョンソンでした。

日本では「桜を見る会問題」(2019年)を巡って野党に責められる安倍元首相の様子は、トランプの「ミスをして立ち往生する様子」(127頁)と重なって見えます。若者は倫理的な正しさを主張するエリート志向の政党に嫌気がさし、むしろ立往生する姿のほうに親近感を覚えます。能力主義の世界は格差を拡大させます。

グローバル化によって職を失い、移民に職を奪われた「何の能力も持たない」人たちの賃金は、40年にわたって低迷し続けてきました。日本でも厚生労働省の『毎月勤労統計調査」によると90年代以降、実質賃金は低迷したままです。

高度成長期を生きた人たちは日本を平等社会だと思い込んでいますが、現代の格差社会に生まれた若い人たちは当然のように日本は格差社会だと思っているでしょう。「何の能力も持たない」と見なされないように若者は必死に頑張っています。それに対して、雇う側の人たちは自己責任を理由に何の罪悪感も持たず切り捨てていくのです。

日本の所得格差は拡大していないという主張があります。再分配所得を見れば格差は拡大していないのですが、当初所得では格差は顕著に拡大しています。単に使える金額が問題なら再分配所得を見ればいいのですが、書物においてもサンデルの本においても繰り返し強調されるのは労働の「尊厳」の問題です。

「給付金による消費は、働いてまともな生活を送ることから得られる尊厳 (dignity) にとって代わることはできない」(120頁)。格差は尊厳の問題でもあり、当初所得格差の拡大の意味は深刻です。格差を拡大させる政策は社会を分断します。アベノミクスに対する評価は大きく分かれています。アベノミクスの恩恵を受けた人たちはアベノミクスを高く評価するのに対して、その犠牲となった人たちはアベノミクスを批判しているのです。

 





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テスラの一人勝ち
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/07/28(月) 18:52
No. 7929
 
 
2021年1月8日は、自動車業界にとって衝撃的な日だったといいます。米電気自動車メーカー・テスラの時価総額が8341億ドル(約2兆円)を記録し、トヨタや独フォルクスワーゲンなど世界の他の自動車メーカーの時価総額を合計した額をも抜き去りました。

テスラの株価は2020年に新型コロナウイルスが感染拡大し始めてからというものの一直線に上がり続け、7月にトヨタを抜くと、そこでも勢いを止めず、とうとう世界のすべての自動車メーカーが束になってもかなわないレベルにまで到達してしまったのです。

テスラの自動車販売台数は年間50万台であり、世界全体に占める割合は1%にも満たないです。しかし投資家は、この1社の価値が、1880年代から始まったその他の自動車産業全体よりも大きいと判断したということです。

もちろん、これは瞬間風速に過ぎませんでした。特に米国では、コロナウイルスの経済対策で巨額の資金が溢れかえっており、それが一時的なバブルを起こした側面があるのは確かでした。

だが、同時に、なぜそのマネーの受け皿がテスラになったのかと考えると、彼らが世界の「電気自動車(EV)」というイノベーションを一手に率いてきたことに理由があるのは間違いないでしょう。世界がカーボンニュートラルに向かう中で、各国の政府は一気に「EVシフト」に舵を切り始めていたのです。

IEA(国際エネルギー機関)のロードマップによると、現状世界の1%にとどまるEVのシェアが2030年には20%、2050年には96%を占めることになります。これは同時にガソリン車撤廃の動きを加速させており、ノルウェーやスウェーデンなど北欧諸国を皮切りに、英仏などの欧州主要国、米国の一部州、さらには中国までもが追随している。

これだけEVシフトが鮮明になりつつある中で、世界で最も人気のEVメーカーであるテスラが投資家の受け皿になるのは、過剰な部分はあったにせよ、自然な流れだというのも事実でしょう。それでは、EV時代の寵児となったテスラとはいかなる企業なのか。

テスラは、そのカリスマCEOであるイーロン・マスクとセットで語られることが多いのですが、実はマスクは創業者ではないのです。マスクは、1990年代に自身が起業したオンライン銀行Xドットコム(X.com) を母体に2001年に決済企業のペイパル(PayPal)を誕生させると、2002年にオンライン通販のeベイ (eBay) に売却して財を成したのです。

そこから同年に次の一大事業として宇宙開発のスペースX (SpaceX) を創業すると、その後2004年には、シリコンバレーで創業したばかりのテスラ・モーターズ(当時)に出資し、同時に会長に就任しています。もともとは日常的な業務には関与していなかったが、経営陣の対立を機に2008年にCEOとなった経緯があるのです。

 





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JERAの奥田久栄副社長の考え
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/07/28(月) 18:50
No. 7928
 
 
「我々ほど洋上風力に突っ込んでいる日本企業はほかにいないはずです」レノバが2015年から秋田県での洋上風力の調査に乗り出していたのに対し、実はすでに海外で洋上風力の事業開発に、それも複数参画している日本企業があります。それがJERAです。

JERAは、福島事故後の国による東京電力再編で、東電と中部電力の火力・燃料部門を統合する形で設立された会社です。そもそもは、2010年代の世界的な燃料高騰を受けて、LNGにおいて世界最大のバイイングパワーを手に入れるために経産省と東電、中電の改革派らが動いたものです。

まず燃料部門が統合し、その後2019年に火力事業の統合を完了させています。しかしJERAは、日本のCO2排出量の4割を占めている火力発電の半分を担っている企業です。なぜ、そんな火力の本丸が、洋上風力へと名乗りを上げているのか。

「まずグローバルで活動していく中で、脱炭素は、すでにエネルギービジネスの『入場券』になっていることは分かっていました。だからこそ我々は、グローバルでの脱炭素のリーダーを目指さないといけない」JERAの奥田久栄副社長はこう打ち明けています。

実はJERAは、菅首相によるカーボンニュートラル宣言に先立つこと2週間ほどの2020年10月13日の時点で、火力会社ながらに「2050年までのカーボンニュートラル」をいち早く打ち出していました。

「日本だけで活動していると見えてきませんが、グローバルに活動していると、もう完全に脱炭素の競争に入っているというのを強く実感していました。だからこそ、日本の電力の3分の1を作っている我々が動かないと、日本の脱炭素が進まないという危機感がありました」と奥田副社長は話します。

そして、そのJERAの最注力分野の一つが洋上風力なのです。JERAはすでに、日本に先行して開発を進める台湾の洋上風力プロジェクト3件に参画しています。まず2018年に、オーステッドがリードするフォルモサ1 (2基、12・8万キロワット)で、オーステッドの35%に次ぐ、3・5%の出資比率を確保しました。

2019年12月から稼働させています。ほかにも2021年稼働のフォルモサ2 (4基、3・6万キロワット)、さらには2020年代後半建設開始で、世界有数規模のフォルモサ3(約200万キロワット)の最大出資者になるほどの力の入れようです。

同じ「フォルモサ」ですが、実はそれぞれ事業主体が異なり、この3つの案件を通して「洋上風力の調査開発から、建設、実際の運営まで異なる段階のノウハウを手に入れられる」(奥田副社長)のだといいます。

JERAが台湾での案件を手掛けるのは、もちろんその視線の先に日本の巨大市場が見えているからです。秋田県沖での公募では、電源開発(Jパワー)、ノルウェーのエクイノールとコンソーシアムを組み、3区域の応札に名乗りを上げています。

奥田副社長は「JERAの経営資源を考えると、洋上風力に集中投入していくべきです。同じ再エネでも、分散型の太陽光はハウスメーカーなども担っていく一方で、洋上風力のように巨大なインフラを開発するノウハウでは、まだまだ電力会社の出番があります」と話しています。

確かに、「グリーン・ジャイアント」たちは、そのいずれも従来の電力会社や石油・ガス企業が、徐々に再エネ企業へと転身してきたものでした。その意味では、欧州から10年以上遅れを取ったとはいえ、JERAは近い道のりを辿っているのかもしれません。

 






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