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ゴルフは心臓発作が起こりやすくなる状況が整っているといいます。私も、若いころは仕事柄、定期的にゴルフを行っていました。一緒にラウンドすることで、そのお得意様や友達がどれだけ大きな病気をしたり、お亡くなりになったのを見てきました。
一般的に、ゴルフは心臓に大きな負担がかかるスポーツだといわれています。ある調査によると、プレーしている最中に突然死した人は年間200人前後と推計されています。とりわけ、40歳以上で突然死を起こしたスポーツはゴルフが圧倒的に多く、原因は心筋梗塞などの心臓疾患が80%以上を占めていました。
この数字だけを見ると、ゴルフは危険なスポーツだと思われるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。中高年になると、高血圧、高血糖、脂質異常症といった生活習慣病を抱え、突然死を招くリスクが高い人が増えていきます。
ゴルフは、そうした中高年世代のプレー人口が多いので、それだけ相対的に突然死するケースが増えるということでしょう。とはいえ、ゴルフが心臓に負担がかかるスポーツであることもまた事実です。
心臓疾患を抱えている人や、突然死の危険因子を多く抱えている人は注意が必要です。ゴルフ場で発生した突然死の報告を見てみると、その15%がグリーン上のパット時、15%はドライバーでのティーショット時というデータがあります。
パターは昔から、1.5メートルのパットが一番心臓によくないといわれます。手ごろな距離のパットは外せないという緊張感や大きなプレッシャーがかかるため、普段とは呼吸が変わって血圧も一気に上がります。また、打つ際の前かがみの姿勢も心臓に負担がかかります。ドライバーショットは、とりわけ1番ホールの第1打が危険だといわれています。
寝不足のままウォーミングアップもせずに、いきなりドライバーをフルスイングすると心拍数が急激に上がり、心臓の血管を収縮させて発作を招くのです。そもそもゴルフは、心臓発作が起こりやすくなる状況が整っているスポーツといえます。
たとえば、朝早く起きてゴルフ場に出向くことが多いため、普段は高血圧の薬を服用している人が薬を飲むのを忘れてしまい、血圧が高い状態でコースに出るケースも少なくありません。これは、薬で血糖を下げている人も同じです。
また、コレステロールを薬でコントロールしている人のなかには、ラウンドする数日前からあえて服用を中断する人もいます。コレステロール降下剤は筋肉痛や関節痛などの副作用があるため、スイングに支障をきたさないように薬をやめるというわけです。
ほかにも、ラウンド中に水分を摂取せずに脱水状態になり、血液がドロドロのままプレーしているようなケースもあります。いずれも、動脈硬化などによって血管内に形成されたプラークを破綻させ、冠動脈に詰まって心筋梗塞を引き起こす下地ができている状態です。
そこに、起伏の激しいコースを歩いて回ったり、スイングやパットによって心臓に大きな負荷がかかるわけですから、突然死のリスクはアップします。また、いったんコースに出ると、救命の態勢が整っていないことが多いのも、突然死が増える一因になっています。
かつて、ある大手企業の社長がラウンド中に心筋梗塞で倒れて、そのまま亡くなってしまったことがありました。そのときも、その場で蘇生措置は行われず、次の組を回すために倒れた社長の周りに囲いをつくっただけでした。
私の大切な社長もラウンド中に心筋梗塞で倒れました。この時はドクターヘリが出動して日本医科大学付属病院に運ばれて助かりました。その後はゴルフをやめて会社も辞めるとこになりました。万が一の場合に備え、どのような救命措置を行うかをシミュレーションしておくことは重要だと思われます。
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