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ビル・ゲイツの次世代原発-3
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/14(火) 16:19
No. 8015
 
  「ナトリウム」でもウランを燃料にすることは従来の原発と同じなのですが、その濃縮度が5〜20%と従来の5%より高いものを用いる予定です。ウランは濃度が低いほど使用後の放射性廃棄物の量も増えることが知られており、テラパワーは高濃度化によりウランの使用量を減らすことで、出るゴミの量も少なくする狙いです。

そして、3つ目の特徴が冷却方法です。従来の原発では原子炉の冷却に水を用いていましたが、ここにナトリウムを使うのが、その名前の所以になっています。例えば、2011年の福島第一原発の事故では水素爆発によって周辺に汚染物質がまき散らされていました。

その直接の原因は、原子炉建屋の中に水素が充満し、圧力鍋のような状態になったことでした。テラパワーはここに、水素も作らず、沸点の高いナトリウムを使うことで、水素爆発を起こす危険性の低減を狙っています。

最後が「簡素化」です。ゲイツは原発の設計の古さや複雑さを問題視していて、これがヒューマンエラーを起こす原因だとみています。このため、テラパワーでは原子炉とそれ以外の設備をできる限り分離して、別々の建物に収容します。

こうすることで一つひとつの設備を簡素化し、使用するコンクリートの量をも従来の原発よりも80%減少させるとしています。「ナトリウム」は約7年の建設期間を経て、最終的には2030年代の運転開始を目指すといいます。

ワイオミング州の知事は「これは我々がカーボンネガティブを目指すための最短ルートです。原発が我々のエネルギーに関するあらゆる戦略の一部であることは明らかです」と話しています。

世界がカーボンニュートラルに向かう中で、原発をめぐる評価は今揺れ動いています。かつて原発に使われた「ダーティー」という言葉は、今や大量のCO2を発生させる石炭火力を表す言葉となり、CO2を排出しない原発に「クリーン」という言葉が用いられるようにさえなりました。

欧州では、再エネと原発の組み合わせでネットゼロを達成する国も多く、福島事故後の脱原発政策でしばらく石炭火力への依存度を高めたドイツを批判する声まで出ているのは先述の通りです。

その是非はさておき、原発が一つの論点に躍り出たことは間違いありません。だが、2000年代の原子力ルネッサンスと異なるのは、福島事故の教訓から、ゲイツのように「新型原発」を開発する動きが広がっていることでしょう。

 





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ビル・ゲイツの次世代原発-2
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/14(火) 16:19
No. 8014
 
  「ナトリウム」でもウランを燃料にすることは従来の原発と同じなのですが、その濃縮度が5〜20%と従来の5%より高いものを用いる予定です。ウランは濃度が低いほど使用後の放射性廃棄物の量も増えることが知られており、テラパワーは高濃度化によりウランの使用量を減らすことで、出るゴミの量も少なくする狙いです。

そして、3つ目の特徴が冷却方法です。従来の原発では原子炉の冷却に水を用いていましたが、ここにナトリウムを使うのが、その名前の所以になっています。例えば、2011年の福島第一原発の事故では水素爆発によって周辺に汚染物質がまき散らされていました。

その直接の原因は、原子炉建屋の中に水素が充満し、圧力鍋のような状態になったことでした。テラパワーはここに、水素も作らず、沸点の高いナトリウムを使うことで、水素爆発を起こす危険性の低減を狙っています。

最後が「簡素化」です。ゲイツは原発の設計の古さや複雑さを問題視していて、これがヒューマンエラーを起こす原因だとみています。このため、テラパワーでは原子炉とそれ以外の設備をできる限り分離して、別々の建物に収容します。

こうすることで一つひとつの設備を簡素化し、使用するコンクリートの量をも従来の原発よりも80%減少させるとしています。「ナトリウム」は約7年の建設期間を経て、最終的には2030年代の運転開始を目指すといいます。

ワイオミング州の知事は「これは我々がカーボンネガティブを目指すための最短ルートです。原発が我々のエネルギーに関するあらゆる戦略の一部であることは明らかです」と話しています。

世界がカーボンニュートラルに向かう中で、原発をめぐる評価は今揺れ動いています。かつて原発に使われた「ダーティー」という言葉は、今や大量のCO2を発生させる石炭火力を表す言葉となり、CO2を排出しない原発に「クリーン」という言葉が用いられるようにさえなりました。

欧州では、再エネと原発の組み合わせでネットゼロを達成する国も多く、福島事故後の脱原発政策でしばらく石炭火力への依存度を高めたドイツを批判する声まで出ているのは先述の通りです。

その是非はさておき、原発が一つの論点に躍り出たことは間違いありません。だが、2000年代の原子力ルネッサンスと異なるのは、福島事故の教訓から、ゲイツのように「新型原発」を開発する動きが広がっていることでしょう。

「『ナトリウム』は、エネルギー業界のゲームチェンジャーになるはずです」2021年6月2日、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、自らが会長を務める原発ベンチャー「テラパワー (Terra Power)」のオンライン記者会見に臨み、こう力強く語りました。

「ナトリウム」とは、テラパワーが手掛ける新型原発の名前であり、この日初めて米中西部のワイオミング州での建設が決まりました。この発表は、ゲイツの盟友ウォーレン・バフェットの投資ファンド、米バークシャー・ハサウェイの傘下企業が原子炉建設を担うこともあって、ビリオネア(億万長者)2人による原発建設として、メディアにも大きく取り上げられました。

ゲイツは、気候変動をめぐるあらゆる分野のイノベーションに投資をしていますが、ことテラパワーに関しては、自らが会長になるほど入れ込んでいます。その背景には、原発がCO2を排出しないという意味では「クリーン」な電源であることと、本命のイノベーションである蓄電池の進化には、かなりの時間がかかるということです。

「再生可能エネルギーのコストは驚くほど下がっています。ですが、再エネには、発電場所が電力の消費地から非常に離れていることが多いという問題点があります。電気は、何よりも信頼性が非常に重要です。」

「中西部を寒冷前線が通過し、風力発電や太陽光発電がすべて停止したとしても、人々は家に熱を求めます。そのためには、原子力のような環境に優しく、いつでも利用できる電力源が必要になります。」

「そうでなければ、現在の100倍の電力を貯蔵する蓄電池という、あり得ないレベルの奇跡が必要になります」と、ゲイツは米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで語っています。

そして重要なのは、ゲイツは原発を推しているのですが、それはあくまで新型の原発であって、旧型のものではないということです。ゲイツは「現在の原子炉は非常に高価で、高圧であるため、安全システムは非常に複雑」と指摘しており、だからこそテラパワーで新世代の原発をゼロから開発しているのだというのです。

では、この新型原発「ナトリウム」とは一体どんなものなのか。まず、その発電能力は35万キロワット程度と、100万キロワット程度がメインの従来の原発と比べると小さいことが分かります。

そのかわりに原子炉に、溶融塩エネルギー貯蔵システムが装備されることになっており、これを活用すれば、出力を5時間半にわたって50万キロワットまで引き上げられるといいます。もう一つの特徴は燃料です。


 





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ビル・ゲイツの次世代原発
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/14(火) 16:18
No. 8013
 
 
「『ナトリウム』は、エネルギー業界のゲームチェンジャーになるはずです」2021年6月2日、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、自らが会長を務める原発ベンチャー「テラパワー (Terra Power)」のオンライン記者会見に臨み、こう力強く語りました。

「ナトリウム」とは、テラパワーが手掛ける新型原発の名前であり、この日初めて米中西部のワイオミング州での建設が決まりました。この発表は、ゲイツの盟友ウォーレン・バフェットの投資ファンド、米バークシャー・ハサウェイの傘下企業が原子炉建設を担うこともあって、ビリオネア(億万長者)2人による原発建設として、メディアにも大きく取り上げられました。

ゲイツは、気候変動をめぐるあらゆる分野のイノベーションに投資をしていますが、ことテラパワーに関しては、自らが会長になるほど入れ込んでいます。その背景には、原発がCO2を排出しないという意味では「クリーン」な電源であることと、本命のイノベーションである蓄電池の進化には、かなりの時間がかかるということです。

「再生可能エネルギーのコストは驚くほど下がっています。ですが、再エネには、発電場所が電力の消費地から非常に離れていることが多いという問題点があります。電気は、何よりも信頼性が非常に重要です。」

「中西部を寒冷前線が通過し、風力発電や太陽光発電がすべて停止したとしても、人々は家に熱を求めます。そのためには、原子力のような環境に優しく、いつでも利用できる電力源が必要になります。」

「そうでなければ、現在の100倍の電力を貯蔵する蓄電池という、あり得ないレベルの奇跡が必要になります」と、ゲイツは米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで語っています。

そして重要なのは、ゲイツは原発を推しているのですが、それはあくまで新型の原発であって、旧型のものではないということです。ゲイツは「現在の原子炉は非常に高価で、高圧であるため、安全システムは非常に複雑」と指摘しており、だからこそテラパワーで新世代の原発をゼロから開発しているのだというのです。

では、この新型原発「ナトリウム」とは一体どんなものなのか。まず、その発電能力は35万キロワット程度と、100万キロワット程度がメインの従来の原発と比べると小さいことが分かります。

そのかわりに原子炉に、溶融塩エネルギー貯蔵システムが装備されることになっており、これを活用すれば、出力を5時間半にわたって50万キロワットまで引き上げられるといいます。もう一つの特徴は燃料です。


 





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水素は国家なり
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/14(火) 16:14
No. 8012
 
 
「鉄は国家なり」1世紀、プロイセン (現ドイツ)の宰相だったビスマルクの演説を基に生まれたこの言葉が示す通り、鉄鋼は世界の近代化の根幹をなしてきました。日本でも鉄鋼業といえば、財界総理といわれる経団連会長を多数輩出してきた一大産業です。

しかし21世紀に入り、世界が気候変動対策へと動く中、20世紀の世界を支えてきた鉄は、カーボンニュートラルに立ちはだかる一大ハードルとなっています。まず、産業セクター別の温室効果ガス排出量において、製造業が占める割合は電力を超える31%に上っています。

なかでも、自動車を始め多くの産業に必要とされる鉄鋼は、建設業に必須のセメント、そして先ほどの農業と並び、排出量が巨大であるにもかかわらず、「一番脱炭素が難しい3つの産業」(ビル・ゲイツ)とされているのです。

もちろん日本でも、2018年度のエネルギー関連のCO2排出量10億6000万トンのうち、鉄鋼業の排出量は約1億5900万トンと産業界でダントツの1位になっています。鉄は昔から、鉄鉱石を原料に、「高炉」と呼ばれる設備に石炭を蒸し焼きにしたコークスを還元剤として投入することで製造されてきました。

しかし、コークスは、いわば炭素の塊であり、これが酸素と結びつくことで大量のCO2が発生します。1トン当たりの粗鋼が排出するCO2は1・5トン(2018年時点)とされ、世界鉄鋼協会によると、これは世界のCO2排出量の約8%に相当します。

現在世界では発電向けの石炭 (一般炭)からの撤退は進んでいるものの、実は製鉄に用いられる「原料炭」では、一部資源大手が撤退を進めているだけで、それほど大きな動きにはなっていないのです。これは鉄鋼業において、高炉を代替するテクノロジーがまだ確立していないからです。

「原料炭事業は、高炉法という製鉄法がいつまで比較優位にあるか、現在、年に18.6億トンある世界の粗鋼生産量がどう推移するかに大きく左右されます。現時点では、高炉法を完全に置き換えるテクノロジーは完成していません。」

「まだ、20年ほどは製鉄方法の主流は変わらないとみていますが、技術に焦点が当たり、知恵とお金が集まったときに、新しいイノベーションが起きるのかは注視しなければなりません」。三井物産の安永竜夫会長はNewsPicks の取材に対し、こう語っています。

とはいえ、世界がカーボンニュートラルを実現するためには、この高炉の脱炭素にも手をつけないといけないでしょう。実際、日本トップの日本製鉄も2050年のカーボンニュートラルを宣言しています。

橋本英二社長は「日本は、大型化や省エネ化で世界最高効率の製鉄プロセスを構築してきたが、残念ながら現状はCO2を出さざるを得ない。革新技術がどうしても必要で、ゼロからのスタートとなる」と話している(参照: ニュースイッチ2021年1月4日)。

可能性のある技術の一つは鉄くずなどを「電炉」を使ってリサイクルする方法で、こちらは排出量が高炉の4分の1に抑えられるため、まず、最初の道として注目されています。だが、本当にネットゼロを目指すとなると、それでも足りないということになります。

そこでカギを握るのが、水素です。石炭の代わりに、水素を還元剤として用いる「水素還元製鉄」と言われる方法です。実は水素には、天然ガスなど化石燃料から作られたグレー水素、その過程でCO2を回収するブルー水素、さらに再エネ100%で作られるグリーン水素があります。

グリーン水素を還元剤に使えば、理論上は排出ゼロの鉄が作れるとされているのです。しかし、グリーン水素自体の供給にメドがたっていないほか、加熱や通気など製鉄の技術面でも課題が山積しているのが現状なのです。

 





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牛のゲップの問題
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/14(火) 16:13
No. 8011
 
 
「Impossible (インポッシブル)」 と 「Beyond (ビヨンド)」。アメリカのスーパーやファストフード店に行くと、必ずと言っていいほど、この2つの単語を見かけるといいます。しかしこれは何かが 「不可能 (Impossible)」 であるとか、「超えている(Beyond)」 というわけではありません。

これらは、アメリカの特に若い層において、当然のように消費されている「植物肉」の二大メーカーの名前なのです。「インポッシブル・バーガー」と「ビヨンド・ミート」という2つの企業は、米国における気候変動対策を語る上で欠かせない存在です。

その背景には、今、世界の温暖化対策において、「牛」の存在がトップイシューの一つになっていることがあります。統計ごとに違いはあるものの、世界の温室効果ガス排出において、農業が占める割合は1%に上る。

CO2排出と聞いて多くの人が思い浮かべる電力は実際には2%にとどまっており、本気でカーボンニュートラルを達成するためには、他の産業セクターでの抜本的な削減が必須なのだといいます。そこで、俎上に上がるのが「牛」です。

というのは、世界で約10億頭はいるといわれる酪農用の牛から、CO2換算で、約20億トン分の温室効果ガスが排出されているからです。人間活動で排出された520億トンのうち、実に4%近くにもなるのです。

これは、牛が「ゲップ」や「オナラ」を通じて排出しています。しかもやっかいなのが、牛が排出するのは「メタン」であることです。世界の温室効果ガスの排出はCO2で換算されることが多いのですが、メタンが持つ温室効果は、CO2と比べ物にならないほど大きい。

大気反応が早く短期の温暖化を引き起こす上に、100年間で比較した時の温暖化効果が2倍、20年間では約8倍にもなるという。逆に言えば、大気寿命が約10年と短いメタンを抑えれば、温暖化の抑止に即効性があるということでもあるのです。

そこで登場したのが、冒頭の「インポッシブル」と「ビヨンド」なのです。ともに2010年前後に創業し、牛肉の代わりに、豆やココナッツ、じゃがいもなどを使った「植物肉(英語では Plant-based meat と呼ばれる)」で一気に台頭してきました。

インポッシブルが提供する「インポッシブル・バーガー」は2019年から全米各地のバーガーキングで販売されているほか、「ビヨンド・ミート」もホールフーズやウォルマートなどの小売店で展開されています。ビヨンドは2019年に上場して、時価総額約1兆円を誇るほか、インポッシブルも2021年の上場が報道されていました。

日本で「植物肉」と聞くと、動物愛護やビーガン、ベジタリアンを思い浮かべるかもしれませんが、両者の人気に火がついた一番の要因は間違いなく気候変動でしょう。これは日本人が痛感する日本と米国の最も異なる部分の一つですが、米国都市部のミレニアル世代以下の若者は「自分たちも環境問題には責任がある」と公言しているのです。

当たり前のように植物肉を食べている(その文脈で Tofu=豆腐が注目されているのも興味深い)。牛肉も食べるのですが、徐々に減らして環境に良い肉に代えていこうという「フレキシタリアン」は、少なくともニューヨークの若者では全く珍しくないのです。

特にインポッシブルはそもそも創業の経緯が、スタンフォード大学教授(生物化学)であるパトリック・ブラウンが2009年の休暇中に、気候変動問題と食料システムこそが喫緊の課題だと確信を深め、自ら起業にまで踏み込んだことがきっかけだったのです。

ビヨンドも、従来の牛肉と比べ、温室効果ガス、水、土地の使用をそれぞれ90%以上抑えられるとミシガン大学からお墨付きを貰っています。そこに、マイクロソフトの創業者であり、この10年で気候変動の大家とも言える立ち位置になったビル・ゲイツが、ビヨンドとインポッシブルの両方に投資したことで、さらに普及が加速することになりました。

 





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レンガのお話
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/06(月) 18:37
No. 8010
 
 
レンガとは、赤茶色の四角い物体です。粘土に砂を混ぜ、直方体の形にして焼いたもので、この簡単な製法からもわかるとおり、歴史は大変古いのです。世界で初めてのレンガが使用されたのは、新石器時代だそうです。

約5500年前のメソポタミアでは干しレンガが見つかっており、建築資材として一般に使用されていたという。現在のように、大量に焼いて作るようになったのは古代ローマ時代で、西洋ではレンガを使って建築物を作ることが多いのです。

木材を使って建築物を立てる日本や東南アジアなどには、原料の木材が多いのに対して西洋の多くの国には木材が少ない。レンガは加工が難しく作業にも人手がかかりますが、丈夫なため大規模で壮大な建築物ができます。

三匹の子豚の話でも、わら、木、レンガと家を建て、レンガが丈夫だと物語られています。だが、丈夫さを誇ったレンガも、近年では鉄筋コンクリート建築に押され、用途は主に装飾に限られているようになりました。

焼く時間を調整して、様々な色のレンガが造られ、一回使ったものを再利用すると微妙な色合いがでて人気のようです。レンガが日本に入ってきたのは、幕末の頃です。日本で最初にレンガを使用したのは1850年、佐賀藩の耐火反射炉だったと言われています。

また、最初のレンガ建築物は1857年に造られた長崎製鉄所で、地元の瓦屋がレンガを造ったといいます。日本でのレンガの歴史はそれほど古くはないのです。しかし、西洋の文化を取り入れることに抵抗のない日本人は直ぐに取り入れ、明治、大正の建築物にレンガを使用して多く残しました。旧北海道庁、函館倉庫群、法務省などが有名です。

そして、なんと言っても有名なものは、3階建ての東京駅でしょう。あの壮大な建物は1914年の第一次世界大戦の時に完成したのです。東京駅は当時、中央が天皇専用の出入り口で、北側が入り口で南側が出口という一方通行だったそうです。

 





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トヨタの切り札
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/06(月) 18:35
No. 8009
 
 
2020年12月1日、トヨタの豊田章男社長が動いた。日本自動車工業会の会長としての会見で、日本のカーボンニュートラル宣言は歓迎しつつも、同時に進められる急なEVシフトに対しては釘を刺したのです。

「EVは生産段階の完成検査時に充放電をしなければいけません。現在、1台のEVの蓄電量は平均して家1軒の1週間分の電力に相当します。年間50万台を生産する工場でこの充放電を行うと、1日当たり5000軒分の電気を充放電することになるのです。」

「火力発電でCO2をたくさん出して電気を作り、毎日5000軒分が充放電される。政治家の皆さんは、ガソリン車の販売を禁止しようと言いますが、EV化はそのぐらいのことをしないと維持できないということを分かっておられるのか」

要するに、豊田社長が訴えたかったのは、自動車をすべてEVに置き換えたとしても、製造段階ですでにCO2を排出しているため、脱炭素に大きく貢献することは出来ないという点です。これは、特にEVの中核パーツである電池が、製造に使う鉱物の採掘過程で大量のCO2を排出し、廃棄時にもやはりCO2を発生させていることが理由なのです。

いずれも、現状のリチウムイオン電池の技術ではクリアするのが困難な問題となっています。欧州の規制が走行時のCO2排出に焦点を当てた「Tank to Wheel」で計算していると説明したが、豊田社長は、エネルギー源の段階から含めた 「Well to Wheel (燃料採掘から走行まで)」という評価方法を前提に反論したのです。

確かに、ハイブリッド車を始め、ガソリン車の燃費は年々向上しているため、条件によってはEVの方が多くのCO2を出してしまう場合も考えられます。2021年、米ウォール・ストリート・ジャーナルとトロント大学が共同で調査を実施しました。

実施した調査によると、EVであるテスラのモデル3の方が、ガソリン車であるトヨタのRAV4と比べて、製造段階で2倍近くのCO2を排出していることがわかりました。一方で、モデル3のほうが少なく、モデル3が3万3000キロ走行した時点でRAV4と並ぶ計算となったのです。

つまり、もし3万3000キロを走行する前に廃棄してしまうことがあれば、ガソリン車の方がエコということになります。「トヨタは1997年の時点でHVの量産に踏み切るなど、もともと非常に環境対応に関心が強い企業としてやってきました。ただし、現状ではEVはやりたくないというのが、多くの幹部の本音でしょう。彼らの視点では、現在の電池技術は脱炭素の解になっていないからです」と、トヨタに近い関係者の一人は指摘する。

実際、トヨタはいくつかの奥の手を用意しています。その一つが「全固体電池」です。現状各社が車載電池として用いているリチウムイオン電池は電流を発生させる電解質が液体ですが、全固体電池はその名の通り固体を用いるのが一番の違いです。

全固体電池はリチウムイオン電池に比べて劣化が遅く、電池の容量も大きくすることが可能で、車載向けでは航続距離1000キロも視野に入っているほか、丈夫で発火しにくく、高速充放電も可能とされています。

リチウムイオン電池が持つあらゆる弱点を克服できる、まさに「次世代の電池」です。トヨタは、全固体電池には巨費を投じて研究開発に取り組んでおり、2020年4月には、テスラとの関係から車載電池に強いパナソニックと合弁会社を設立し、この分野への注力をさらに鮮明にしています。

この合弁会社の社長に就任した好田博昭は「多くのメーカーは現在、リチウムイオン電池の量産に追われている状況ではないかと思います。だからこそ今、先に(全固体電池を開発してしまう。思い切り全固体電池の開発を加速しないと、我々の強みが生かせない」とその取り組みの意義を強調しています。

もう一つ、脱ガソリンに向けたトヨタの切り札が「水素」です。トヨタはまだEVシフトの波が訪れる前の2014年に、世界初の量産型FCV (水素燃料電池車) 「ミライ」を発売した実績があり、この分野でも先駆者になっているのです。

 





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ハローワークのコネ採用
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/06(月) 18:34
No. 8008
 
 
過去に霞が関の中央官庁に雇われている非常勤職員のうち約1000人が、同じ官庁に所属する正職員らの紹介による「コネ採用」であることがわかりました。ハローワークでも全国で約1000人の非常勤職員を「コネ採用」していたのです。

当時の民主党や総務省の調べによると、本省だけで専門知識が不必要でコピーなどをしている、事務補助職員は約2500人で、このうち約1000人が縁故採用だったというものでした。公募で採用されたのはコネ採用より少ない約800人です。

残りは大学などからの推薦による採用としていました。ハローワークは全国の約1万3000人にのぼる非常勤職員のうち約1000人を職員や地元の県議、国会議員らの紹介によって採用していたのです。悲しいお話です。

公正採用選考人権啓発推進員研修会などの研修会に参加させておきながら、公平な立場で採用しなさいと言っているハローワークが縁故で勤務者を決定していたのです。雇用創出という点から考えれば必要性もあるのかもしれませんが、コピーなどに人件費を使うこと自体おかしい、コピーぐらい自分でとってほしいものです。

そんな方が2500人もいること自体、無駄な経費で、税金の無駄使いに思えます。日本の社会は不透明だといいますが、その不透明さを作り出してしまっているのは日本の長年の社会風土であり、また他ならぬ日本国民でしょう。

本来、民主主義とは国民が国に対して責任を持ち国民が国を運営していくべきものだと思います。しかし、日本人の多くは国が何かをしてくれるのを待つばかりです。国が国民に何かを施す発想は社会主義でしかありません。

国家運営の主体は国民ではなく議員や官僚が握り国民の民意が反映されずに国を動かし、天下りや賄賂などいい様にされているのです。これでは、日本が国民主権の真の民主主義国家にはなれないのでないだろうか。

 





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トヨタのプリウス
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/06(月) 18:32
No. 8007
 
 
21世紀の始まりを彩った環境車は間違いなく、プリウスでした。日本での人気と知名度は改めて語るまでもないのですが、米国でも特に環境意識の高いカリフォルニア州を中心に爆発的な人気を獲得しました。

2003年に2代目のプリウスが投入されると、米国全体で販売台数が年間10万台を超える人気車種となり、さらに2009年に3代目(米国では日本の『アクア』 という車種もプリウスブランドでカウント)がお目見えすると、2012〜2014年までの3年間は年間20万台以上が売れる一大ブランドとなったのです。

特にカリフォルニア州では大人気のベストセラーとなっており、当時、配車アプリの「ウーバー(Uber)」で車を呼ぶと、毎度やってくる車のほぼすべてがプリウスだったといいます。レオナルド・ディカプリオ、キャメロン・ディアスら錚々たるハリウッドスターがプリウスでアカデミー賞授賞式に乗り付けるなどイメージ戦略も奏功しました。

プリウスは環境に良くて、クールなイメージを持つ乗用車として飛躍していました。そして、同時に世界でも環境に良いハイブリッド車=プリウスというブランドが構築されていました。まさに、エコカー界の革命でした。(参照:東洋経済オンライン2018年7月8日)。

そのプリウスの歴史は1997年にさかのぼります。実は、もともとトヨタは1968年からハイブリッド車の研究を進めていましたが、一時中断を経て、1993年に「21世紀のクルマ」を社内で議論し始めたことが、プリウス誕生の直接のきっかけとなりました。

社内プロジェクトでは、燃費性能を1.5倍に引き上げる目標を掲げていましたが、途中で2倍というさらに高い目標値が示され、1995年にこの目標を実際に達成できるテクノロジーとして「ハイブリッド」に白羽の矢が立つことになったのです。

そして1997年に「トヨタ・ハイブリッド・システム(THS)」が完成すると、その年末には初代プリウスを発表しています。 燃費は28キロ/リッターで、価格は215万円。「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーが表す通り、開発からわずか2年間という短期間で最先端の独自技術を量産化させたことも含めて、歴史的な快挙でした。

しかし、初代の投入から20年以上が過ぎ、その栄光は色あせつつあります。まず、盤石を誇ったカリフォルニア州で、メーカーに環境車販売を義務付ける「ZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制」の枠組みからハイブリッド車が外れました。

それを皮切りに、近年のEVシフトで、国によってはガソリン車とともにハイブリッド車をも将来的に禁止する方針が取られました。具体的には、ノルウェーやイギリスのほか、ドイツやフランスなどが2030年ごろの販売禁止を予定し、さらに2021年7月にはEUが、2035年のハイブリッド車を含むガソリン車の新車販売禁止にまで踏み込んだ。

つまり、世界のカーボンニュートラル化を背景としたEVシフトによって、もはやハイブリッド車は「エコ」とみなされなくなったということです。そしてこの流れは、日本にまで到来しました。

2020年12月、政府がまとめる「グリーン成長戦略」で、2030年代のガソリン車の新車販売が禁止されるという報道が出始めたのです。これにはハイブリッド車は含まれないものの、トヨタを始めガソリン車を主力とする日本の自動車産業からすると、逆風となるのは想像に難くないのでした。

 





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日本文学と世界文学
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/10/06(月) 18:31
No. 8006
 
 
外国人にとって、日本文化を根っこから理解するのは難しいと思います。宮沢賢治の作品は、国や民族を超えたコスモポリタン型文学としてよく知られていますが、作品を理解するうえで一般の外国人の感覚からは不可解に思うところがあるのです。

正邪をはっきりさせなければ気がすまないという外国人の一般的な価値観からは、日本文学は、不自然な行為に映るでしょう。これが外国人の大方の素直な印象だと言います。日本で勉強している外国人は、不可解な疑問を潜在させたまま、日本の社会・文化を勉強しています。

すると日本人の独特な死生観や思考が慣習に常にありながら、見えにくい部分であると言うことに気がつきます。それは日本独特の価値観で「死の美学」という日本文化全体に通じる1つの特長でしょう。死を神聖視し、美化しています。

この死生観はおそらく、仏教、神道、それに武士道の3つが醸成しあっているように思えます。靖国神社問題でも日本人は外国人にこうした日本独自の死生観について説明をしていません。語らない限りは日本固有の死生観や日本的な思考を前提にしていることを知るのは、外国人には至難なことでしょう。

多くの外国人が日本人について研究すると、異質な死生観への認識に到達するのに十数年かかったといいます。文化や歴史を学ぶ点で模索を繰りかえし、時には失敗や誤解を招きながらも、理解をより深めていき知識更新していくことが大切だと思います。

世界は、ヨーロッパを引き継いだアメリカが世界に君臨している結果、世界中の子供達が英語を勉強しています。侵略者の言葉を学ばなければ生きていけない世界ですから苦しくても学ばなければならないでしょう。

もし第二次世界大戦で日本が勝っていたなら、今頃は世界中の子供達が日本語を勉強していたはずです。だが、産業革命はイギリスで起きてしまいました。アフリカや中南米・中近東・日本を含むアジアには起こりませんでした。

それは、白人が優秀で、黒人や黄色人種が劣等であると言うわけではなりません。例えば5世紀から15世紀までは、ヨーロッパも小さな土地を巡って王候間の抗争が続いており、無知と貧困と戦いに彩られていました。「蛮族」の集まりであったわけです。

一方、日本は当時すでに、十分に洗練された文化をもっていました。文化的洗練度の指標たる文学を見ても、万葉集、古今集、枕草子、源氏物語、新古今集、方丈記、徒然草など切りがありません。

この10世紀間における文学作品を比べてみると、全ヨーロッパが生んだ文学作品より日本一国が生んだ文学作品のほうが質や量の両面で上だと思います。最近を見れば45歳の短い生涯を激烈に締めくくった三島由紀夫は、ノーベル文学賞候補に何度も上るほどの天才でした。

「アジアに叫ぶ」(土井晩翠)、「航空対談」(菊池寛)、「大東亜戦争私感」(武者小路実篤)、「米国人の観たる満州問題」(新渡戸稲造)など学術的にも文学的にも素晴らしい本もまだまだありましたが、GHQにより没収されたのです。

戦後、連合国軍事総司令部(GHQ)が「軍国主義的」などとして日本政府に没収を命じた図書約7000書籍のリストがあるといいます。この一覧表の中には我々の石原莞爾平和思想研究会の前身である「東亜聯盟」の書籍も掲載されていることでしょう。

古い本は、朽ち始めてしまいます。価値のある史料として、恒久平和の礎を築くためにも多くの方と研究を重ねていきたいと思っています。当時のヨーロッパは、その程度のものでした。よほどの文学好きでないかぎり、ヨーロッパの生んだ文学作品を3つあげられる人は少ないのではないでしょうか。

その中で好きな作品といえば、絶望の果て「生きることへの絶望なくしては、生きることへの愛はない」アルベール・カミュ、フランスの作家・ノーベル文学賞受賞。人間は死ぬということは絶対の真理です。

そのような真実を認識してこそ、世界に対するいとおしさが生まれます。自分自身の終末を真正面から見つめることによって意識的な死を作り出し絶望から本当の優しさや強さが生まれると言っています。

さらにそこで、もっとも手助けとなる世界一の作品があります。それは、聖書です。聖書には人間が地球上にいるのはなぜか、非常に多くの苦しみが存在しているのはなぜか、人類はこれからどうなるのか、現在の状況はどのように改善されていくのかといった事を教えてくれます。

あらゆる重要な疑問について真実を教えてくれる優れた知恵の源だと思います。聖書はその古さ、総発行部数、翻訳された言語の数、文学的傑作としての並外れた偉大さなど古今を通じた最高の書物でしょう。

 






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