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一般的な内服薬は、口から入って、胃を通過し、小腸で吸収され、門脈を通して肝臓に運ばれて代謝され、代謝物や代謝を免れた薬物は全身の血液中に分布します。血液中ではアルブミンというタンパク質と結合し、結合を免れた部分のみが標的臓器をはじめ全身の臓器に行きわたり、薬の効果を発揮します。
それと同時に、アルブミンと結合していない薬物は、肝臓で代謝され、腎臓から排泄されます。腸からの薬の吸収、分布、代謝、排泄には日内リズムがあるため、薬効は服用時刻によって左右されることになるわけです。小腸の蠕動運動や血流は、夜間より活動している昼間に高いということは想像しやすいかと思います。
したがって、薬物の吸収も昼間が高くなってきます。また、肝臓で作られる胆汁は、脂肪の消化吸収を助ける働きがあります。長く絶食したあとの朝は、胆汁分泌がさかんになります。そのため、脂溶性の薬物は夕方より朝方に服用した方が吸収に良いということになります。
次に肝臓での薬物代謝について考えてみると代謝のリズムは、肝臓での血流量リズムと、薬物代謝酵素の活性のリズムに依存することがわかっています。肝臓の血流量は早朝に最大になり、その後減少し、夕方に最小になります。
たとえば肝臓などで働くコルチゾールというホルモンのある代謝酵素の活性は、ヒトでは夕方に亢進していると考えられています。この酵素は医薬品の半数以上の代謝に関与するので、夕方に高くなるリズム性が時刻による薬の効果の違いにつながりますので、注意をする必要があるでしょう。
分布に関しては、薬物で、アルブミンなどの血中タンパク質との結合率に、リズム性を示すものがあります。具体的には、抗てんかん薬のバルプロ酸のタンパク結合率は、午前2時から午前8時にかけて最小であるのに対して、他の抗てんかん薬のカルバマゼピンのタンパク結合率は午後2時から午後8時にかけて最小となります。
すなわちタンパク結合率が最小である時刻には、フリーとなった薬物が組織へと移行する量が大きくなり、作用が強く出る可能性があるのです。薬物あるいはその代謝産物は、尿中もしくは胆汁中に排泄されます。
薬物の尿中への排泄は、腎臓の糸球体というところでろ過されるというしくみが重要ですが、もう一つのメカニズムとしては尿細管へ直接分泌され、尿中へと流れていく仕組みもあります。腎臓への血流は昼間に高いことがわかっており、そのため糸球体でのろ過率も夜間より昼間に亢進しています。一方、尿細管への分泌は夜間の方が高くなります。
このようにどちらの機構で排泄されるかにより、尿中への排泄リズムが決まります。我々は、マウスの実験で、高濃度の食塩水を夕方に投与すると、朝方に投与する場合と比べて尿への排泄が遅くなることを見出しています。
ところで、胆のうでの胆汁への薬物の排泄リズムはよくわかっていないのですが、夜間は絶食状態にあるため、食事中の脂質成分分解のために分泌される胆汁は、朝が一番多く溜まっています。
そもそも胆汁の働きは、水に溶けにくい脂質を包み込むようにして親水性があるように働き掛け、脂肪分解酵素の働きを助けます。したがって、食事中に胆汁が十分に放出されないと消化不良になりますが、胆汁が十分にある朝食時には、少し脂っこいものを食べても大丈夫でしょう。
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