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東北新幹線の東京駅と大宮駅との間は上越・北陸・山形・秋田・北海道の各新幹線の列車の大多数も通過する大変な混み合いぶりです。新幹線のなかで列車の本数が全線を通じて多いのは東海道新幹線ですが、この区間だけに限ればほぼ同じ本数の列車がひしめき合っています。
山形新幹線が開業して東京〜山形間に「つばさ」が走り出したのは1992年7月1日のことです。この時、多数の列車が運転されている東北新幹線の東京〜大宮間にどのようにして「つばさ」を新たに設定するかが問題となりました。
当時はまだ北陸・北海道の両新幹線は開業していなかったのですが、それでも列車の本数を増やすのは限界に近づいていたからです。そこで考えられたのが、「つばさ」をほかの列車と連結して運転するという方法です。「つばさ」が東北新幹線の東京〜福島間に乗り入れるに当たり、この区間では東北新幹線の「やまびこ」と一緒になって走るのです。
そして、東北新幹線と山形新幹線とが分岐する福島駅で「つばさ」と「やまびこ」とを切り離したり、連結したりすることとしました。このような運転方法を分割、併合運転と呼びます。今日、分割、併合運転は山形新幹線の「つばさ」のほか、秋田新幹線の「こまち」それに上越新幹線用のE4系でも見られます。
分割、併合運転を行う列車には専用のシステムを搭載した車両が必要です。先頭車の前面には自動的に開閉する連結器カバー、そして切り離しや連結を自動的に行う連結器が装着され、運転室にはこうした装置を制御する機器やスイッチが設けられました。
具体的な運転方法は、まずは分割からです。列車を切り離す駅に到着したら、運転士は運転室にある分割スイッチを「入」の位置に動かします。すると、連結器はロックの状態から解放の状態へと移り、さらには電気回路の連結器やブレーキ用の空気回路の連結器も解放の状態となります。あとは列車を出発させるだけでよいのです。
連結器カバーは動き出した途端に自動的に閉まります。続いては併合です。併合を行う駅に先に到着した列車の運転士は運転室の併合スイッチを 「入」の位置に動かします。すると、連結器のカバーが開き、ほかの列車との併合の準備が整うのです。
後から駅に到着する列車の連結器カバーは地上に設置された信号によって自動的に開きます。そして、これから連結する列車の少し手前でいったん停車し、運転士は併合スイッチを同様に「入」の位置に動かします。
運転士は列車をゆっくりと前に進め、これから連結する列車の車掌と列車無線で交信しながら連結していきます。車両同士をつなぐ連結器はもちろん、電気回路や空気回路を結ぶ連結器も自動的に接続されると同時にロックされ、1本の列車として運転可能となるという仕組みなのです。
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