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新たに形成される銀河がもはやないという状況の中、既存の銀河はどうなるだろうか。すでに重力的に束縛された銀河の内部では宇宙定数の効果より重力の方が強いため、銀河が膨張してバラバラになることはないと言います。
ただし、暗黒エネルギーが実は宇宙定数ではなく、時間とともにその密度が増大していくようなものだと、いずれその斥力が銀河の重力を圧倒して、銀河も、さらには星も地球もバラバラにしてしまうかもしれない。そのような可能性は理論的にありえないわけではないが、積極的に考える必然性も今のところはないといいます。
暗黒エネルギーは宇宙定数かそれに近いものであり、銀河はバラバラにならないという予想が標準的です。だが、銀河が今の状態をいつまでも保っていられるわけではない。銀河の活動として最も顕著なのは星間ガスから星を作るというものですが、ガスには限りがあるため、やがてガスを使い果たして星形成も止まることになります。
新たな星が生まれない中、寿命の短い大質量星から先に死に絶えて行きます。水素を燃やす普通の星、つまり主系列星で最も軽いものは太陽の10分の1ほどの質量ですが、そのような星の寿命は太陽よりはるかに長く、1兆年を超えます。
だが、逆に言えば、今より数兆年先の未来ではすべての主系列星が死に絶えて、残されているのは白色矮星、中性子星、ブラックホールぐらいのはずでしょう。重さが足らず主系列星になれなかった褐色矮星や、惑星にも生き残っているものがあるでしょう。 君は生きのびることができるか。そのような超未来まで、人類が生き残れるかどうかは興味深い問題です。戦争による自滅や地球環境の変化を乗り越えて人類が存続していったとしても、まず50億年先には太陽が燃え尽きるという宿命から逃れることはできません。
燃え尽きる際に太陽が赤色巨星となって膨張するなどの状況を仮に生きのびたとしても、地球の生命の基本的なエネルギー源である太陽なしで生きていくことを考えなければならないでしょう。例えば、恒星間航行技術が実現していれば他の恒星系に移住する手もあるかもしれません。
だが、やがて、他の恒星もすべて燃え尽きてしまう時が訪れます。その時、なにからエネルギーをとればよいだろうか。地球など岩石型惑星に含まれるウランなどの核物質から原子核エネルギーを取り出すことは現在の技術を考えても十分見込みがありそうです。木星型惑星に豊富に含まれる水素による核融合を用いれば、資源の量はさらに増えます。
もう一つ考えられるのは重力エネルギーです。ブラックホールや中性子星など、強力な重力を持って生き残っている天体があるはずだから、そこに人工的に物質を落とし、解放される光エネルギーを使う。その本質は水力発電と変わらないのです。
そして人類にとっての究極の危機は、陽子崩壊でしょう。ある種の素粒子理論が予想するように、10の2乗年という時間が経つと陽子が崩壊してしまうのであれば、我々の生命活動を担う物質がすべて消滅してしまうことになります。
陽子が崩壊するという事は、すべての元素も消滅し、電子も陽電子と対消滅して消えてしまうということです。宇宙に残されるのは、光(電磁波)とニュートリノの他はブラックホールぐらいということになります。
暗黒物質も残っているかもしれません。我々が生きのびるには、それらのみを利用した生命体に進化する必要があるのです。それがどのようなものなのか、もはや想像もつかないが、我々に残された時間もまた想像を絶する長さなのです。
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