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過去の残念なお話になりますが、NTT民営化をめぐって郵政省との間で軋轢があり、郵政省は国家戦略としてネットワーク構想を打ち出すどころか、これを押さえ込んでしまったのです。米国では、日本が光ファイバーによるネット構想を展開したら世界を支配されてしまうと危機感を持った上院議員のゴアがいました。
ゴアは米国が先手を打つべきだと考え、米国の通信業者、コンピューター関係業者を集めて、光ファイバーのネットワークを確立しようとしたが、光ファイバーの生産は日本が中心になっていて日本企業を儲けさせるだけだということがわかったのです。そこで60年代に米国の国防総省の意向で開発された秘密兵器、インターネットを一般に開放しました。
その時にクリントンが大統領候補になり、ゴアを副大統領候補に指名した訳ですが、それまで共和党支持だった通信、コンピューターの関連業者がゴアの周辺に集まり、その事が大統領選挙でクリントンを勝利に導いた大きな要因だと言われています。
ゴアがぶち上げた「情報スーパーハイウェー構想」によってインターネットは急速に世界に普及して、90年代のアメリカはそれと歩調を合わせるようにして景気がどんどん回復していったのです。日本は郵政省とNTTの争いで、光ファイバーのネットワーク構想は進まなかった。まさに戦略ある国家と、戦略なき国家の大きな違いといっていいでしょう。
本来、IT、PC機器の分野で米国よりも日本がはるかに先行していたことは米国の専門家が一番良く知っています。マイクロソフトがウインドウズを世に出した1980年代に当時、東京大学助教授だった坂村健氏の提唱した、トロンOSは何万台ものコンピューターをリアルタイムで動かす超機能分散システムで、世界初の偉業でありました。
これを潰そうと米国はありとあらゆる手をうちました。トロン搭載機を日本国内の学校教育用に採用する事が決まりかけていましたが、これを日本政府の国内産業保護政策で公正な自由貿易に反するとスーパー301条まで持ち出して中止させたのです。
日本がこの分野で先行することは米国の国家戦略が許さなかった。また、ITの核心である、パソコンの心臓部マイクロプロセッサーを押さえているのはインテルなのだから米国が強いのは仕方ないなどと言いますがそのマイクロプセッサー誕生のきっかけを作ったのは日本の技術者でありその高品質の商品化に貢献したのは日本企業でした。
また、アメリカ産牛肉の輸入がブッシュ大統領と小泉首相が直接会って再開されたのも圧力でしょう。どうやらアメリカ軍再編問題と牛肉の輸入再開問題については、ブッシュ大統領と会う前には決着させる考えだったようです。
日本国民の生命を危険にしてまでも、国防や経済を大義名分に変な理屈をつけて、BSE感染牛の判別も出来ないままアメリカ産牛肉の輸入解禁を行うとはどういうことなのだろうか。次々に受け継がれたアメリカ政府の深層にある奴隷のように扱う対日戦略は、日本国が世界に誇る感染牛をシャットアウトするシステムを力で無視したのです。
さらに、米軍が駐留し、経費を日本が負担しています。海兵隊と空母機動部隊の母港などがおかれているのは日本だけです。日本の防衛とは関係ありません。アメリカの世界戦略の前線基地なのです。
日本に仮に戦火がおこるとしたら、アメリカの先制核攻撃戦略によって介入戦争がおこったとき、それが日本に及ぶと言うのがもっとも可能性の高いものです。この火種をなくすことは、日本の恒久平和とアジアの安定にとって大きな役割を果たすと思います。
高市総理の人気によって、裏金問題もないがしろにして、防衛予算が増大していきます。条約では、米軍は日本国を守る義務があるとは記されていないと言います。そうなるとアメリカは国益の為にしか動かない事となりますので、日本国が主権国家である以上、在日米軍は、日本国から見ればイラクのように外国の軍隊が自国を占領している状態でしょう。
だから日本が他国と手を結べる状態ではないのです。米国からすればいくらでも金を出す日本国を手放しません。アメリカ軍再編は、世界のパワーバランスを乱す可能性もあります。そのような事を鑑みると日米安全保障体制という日本国唯一の生命線を冷静に見定めながら、土台は確りとした免振構造で独自の防衛戦略を練る必要があると思うのです。
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