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顕微鏡の発明によって目に見えない微生物の存在が明らかになり、19世紀にコッホが病原菌を発見して以来、瘴気説はほとんど滅び去りました。感染症とは、体外からやってきた微生物が体内で増殖し、それが引き起こした病気であることが常識になったのです。
だが、さらに後に「顕微鏡を使っても見えない微生物」の存在が明らかになりました。それが、ウイルスです。しばしば混同されがちですが、細菌とウイルスは全く異なる微生物です。まず大きさが全く違います。
ウイルスは細菌の約100分の1と極めて小さいため、通常の光学顕微鏡で観察できないのです。ウイルスを初めて観察できたのは、ドイツで電子顕微鏡が発明された1931年のことです。
レーウェンフックが「微小動物」を発見してから、実に200年以上も後のことです。微小な環境のことはよく「ミクロの世界」と呼ばれますが、ミクロ(マイクロメートル)は一ミリメートルの1000分の1です。おおよそ細菌のサイズです。
一方、ウイルスのサイズは「ナノ」で表現します。1ナノメートルは1マイクロメートルのさらに1000分の1です。また、細菌とウイルスの違いは大きさだけではないのです。「自力で生きることができるかどうか」にも違いがあります。
細菌は、環境さえ整っていれば細胞分裂によって自力で増殖できます。生きるために他の生物に寄生する必要はないのです。一方、ウイルスは自力で生きることができません。DNAやRNAと、それを包み込むタンパク質のみでできたシンプルな構造で、自らを複製する力を持たないのです。
こうした性質から、ウイルスは生物ではないとされることも多いのですが、微生物学の学問領域には含むのが一般的だといいます。では、ウイルスは一体どのようにして増えるのだろうか?
実は他の生物の細胞に自己のDNAやRNAを送り込み、その複製システムを乗っ取ることで増えていくのです。DNAやRNAは、生物の設計図です。ウイルスは自己の設計図を相手に送り込み、代わりに自己をつくってもらうことができるのです。
感染された細胞の身になってみれば、いわばプラモデルをつくっている最中に、いつの間にか設計図の途中が別の頁に差し替えられ、本人も気づかないうちにせっせと違うプラモデルを量産しているようなものでだといいます。
ウイルスが感染した細胞はウイルスを量産してしまい、細胞内で増えたウイルスはじきに細胞を破壊して外に飛び出す。そして、次々と他の細胞に感染しそれを破壊しながら増殖していくのです。
人間にとっては細菌もウイルスも目に見えないがゆえに、「微生物」とひとまとめで呼んでいます。だが細菌にとってウイルスは、自らの生命を脅かす存在です。ウイルスは細菌に侵入して増殖し、細菌を破壊するからです。
また、当然ながら抗菌薬(抗生物質)はウイルスには全く効果がないのです。抗菌薬は細菌に対してのみ有効な薬であって、それ以外には効力がないからです。細菌より小さな微生物の存在が初めて知られたのは、1890年のことです。
ロシアの生物学者ドミトリ・イワノフスキは、タバコの葉にモザイク状に斑点ができる植物の病気を調べていました。何らかの感染症であるようだが、その原因がはっきりしない。驚くべきことに、タバコの葉をすりつぶして細菌を取り除くフィルターを通しても、なお感染性は残っていました。
この実験結果は、細菌よりはるかに小さな感染源が存在する可能性を示していたのです。その45年後の1935年、アメリカのウイルス学者ウェンデル・メレディススタンリーは、初めてタバコモザイクウイルスの存在を明らかにしました。
この世界で初めての功績で、スタンリーは1946年にノーベル化学賞を受賞しました。その後、人間に病気を引き起こすウイルスが次々と発見されることになります。細菌やウイルスといった病原体が発見されると、病気の予防法や診断法、そして治療法の開発が可能になります。ウイルスに対する治療薬は、種々の抗ウイルス薬です。
だが、抗菌薬とは違い、ウイルスを死滅させられる抗ウイルス薬は少ないのです。多くは増殖を抑え、症状を軽くする作用を持つものです。例えば、タミフルに代表される抗インフルエンザ薬の効果は、「発熱期間を約一日短縮させること」です。
インフルエンザをたちどころに治せる薬ではないのです。また、治療薬そのものが存在しないウイルス感染症も多いです。例えば、誰もがよく知る麻疹や風疹はいずれもウイルス感染症ですが、抗ウイルス薬はないのです。
ひとたび罹患すれば、症状を抑える薬を使いつつ治るのを待つしかない病気なのです。一部は重症化して命にかかわり、後遺症を残すこともあります。風邪の原因となるウイルスも新型コロナウイルスもそうです。治癒に導ける抗ウイルス薬は、いまだ存在しないのに、新型コロナウイルスでは3か月ぐらいでワクチンを開発したという。
コロナウイルスでは子どもは亡くなることはありませんでしたが、ワクチンを接種して亡くなっている子どもいるのです。最近はコロナワクチンを接種して24時間以内に亡くなった方に国が補償を始めていますが、テレビや大手メディアでは放送していません。週刊誌や地方新聞ではとりあげているので気付いてほしいと願います。
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