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小売店で、お刺身わかめと表示された「生食わかめ」を見かけます。ワカメは1年中出回っていて、みそ汁の具として食卓に欠かせない海藻ですが、時季をはずしてしまえば加工品がほとんどです。健康と美容のワカメをたくさん食べてくださいませ。
ワカメといえば、日本人にとって欠かせない身近な食べ物の一つです。ワカメは若がえりの薬とされ、奈良時代から神事とされてきました。海の中のワカメを見ることができないので、濃い緑色と思ってしまいがちですが、元の色は、光合成色素の褐色です。
それが湯を通すと退色して、葉緑素の緑色が見えてくるというわけです。ワカメは、太平洋側では北海道の室蘭、日本海側では北海道のほとんどの海岸で見られます。潮流の激しいところのものほど良質とされ、鳴門、出雲、三陸、三浦など産地名をブランド化しています。たくさんの種類の海藻がいっせいに成熟して、海の中が賑やかになるのが春です。
地上の草木と一緒です。日本人ほどたくさんの種類の海藻を食とする国は他にありません。それどころか、海藻を食にする習慣自体が世界ではごく少数派だそうです。日本の他にはお隣の韓国と中国が代表国です。でも種類の多さではやはり日本がダントツです。
ワカメはほとんど捨てるところがないほど食べ尽くされます。葉はもちろんですが、茎は、茎ワカメとして、根の上にできる種を作る肉厚のひだの部分はメカブとして、部位別に販売されます。現在流通しているワカメのほとんどは養殖物です。
でも始めの種付けだけが、人の手で行われるだけで、生育段階は天然物と同様の自然環境の中にいます。その間、化学肥料や薬物などは一切使われていないので、海の有機野菜と言えます。乾燥ワカメは黒褐色でつやがあり、厚みと弾力のあるものが美味しいです。
生ワカメは緑色が濃く、つやがあって厚みと弾力のあるものを選びます。古くなると黒ずんでしまいます。ワカメは栄養価の非常に高い食品です。それでいてノーカロリーというところが特に女性にうけて、健康食・美容食としても人気が高いです。
骨を丈夫にするカルシウム、血圧を下げるカリウム、血液をきれいにするミネラル、精神を安定させ、心身を元気にするヨウ素も豊富です。また、ワカメ特有のヌメリは食物繊維のアルギン酸で、血圧やコレステロールを下げる効果があります。
これはたとえば、みそ汁の具にワカメを入れると、みその塩分をワカメの食物繊維が吸着して、体外へ排泄する働きをしてくれるのです。ワカメは元の3分の1の大きさになっています。乾燥ワカメは10分の1です。水でもどすときの分量の目安にして下さい。
水に浸す時間は製品の包装に書いてあるはずですが、汁物に使う場合は、半分もどったところで引き上げると丁度いい柔らかさになります。サラダなどに使う場合は、もどした後、ザルにあけて熱湯をかけると色が鮮やかになります。
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