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  スマホは私たちの邪魔をする   仲條拓躬2024/08/17(土) 08:22 
  靖国神社参拝にこだわる  仲條拓躬2024/08/15(木) 14:13 
  デジタル社会から受ける影響  仲條拓躬2024/08/14(水) 14:17 
  崩壊の淵から這い上がる大企業  仲條拓躬2024/08/13(火) 14:35 
  グローバル企業運営の時代  仲條拓躬2024/08/13(火) 14:34 
  キングダム秦の始皇帝  仲條拓躬2024/08/13(火) 14:33 
  我々の宇宙の将来  仲條拓躬2024/08/13(火) 14:31 
  イスラエルを招待しないことについて  仲條拓躬2024/08/13(火) 14:30 
  イギリスの三枚舌外交  仲條拓躬2024/08/09(金) 17:17 
  宇宙観を一変させる発見  仲條拓躬2024/08/09(金) 17:14 






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スマホは私たちの邪魔をする
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/17(土) 08:22
No. 7562
 
 
集中力も作業記憶も、私たちが複数の作業を同時にしようとすると悪影響を受けるようです。例えば、パソコンの電源を切り、スマホはサイレントモードにしてポケットにしまえば作業の邪魔にならないと思う事でしょう。

だが、そんなに単純な話ではありません。スマホには、人間の注意を引きつけるものすごい威力があるのです。その威力は、ポケットにしまうくらいでは抑えられないのです。大学生500人の記憶力と集中力を調査すると、スマホを教室の外に置いた学生の方が、サイレントモードにしてポケットにしまった学生よりもよい結果が出ました。

学生自身はスマホの存在に影響を受けているとは思ってもいないのに、結果が事実を物語っています。ポケットに入っているだけで集中力が阻害されるのです。同じ現象が他の複数の実験にも見られました。そのひとつに、800人にコンピューター上で集中力を要する問題をやらせるというものがありました。

結果、スマホを別室に置いてきた被験者は、サイレントモードにしたスマホをポケットに入れていた被験者よりも成績がよかったのです。実験報告書のタイトルが実験の結論を物語っています。

「脳は弱るスマートフォンの存在がわずかにでもあれば、認知能力の容量が減る」モニター上に隠された文字を素早くいくつも見つけ出す、そんな集中力を要する課題をさせる実験もありました。その実験を行った日本の研究者も、同じような結論を出しています。

被験者の半分は、自分のではないスマホをモニターの横に置き、触ってはいけないことになっていました。残りの半分は、デスクの上に小さなノートを置いた。その結果は、ノートを与えられた被験者の方が課題をよく解けていたのです。

そこにあるというだけでスマホが集中力を奪ったようです。リンクがあるだけで気が散るポケットの中のスマホが持つデジタルな魔力を、脳は無意識のレベルで感知し、「スマホを無視すること」に知能の処理能力を使ってしまうようです。

その結果、本来の集中力を発揮できなくなるのです。よく考えてみると、それほどおかしなことではないでしょう。ドーパミンが、何が大事で何に集中すべきかを脳に語りかけるのだからです。日に何百回とドーパミンを放出させるスマホ、あなたはそれが気になって仕方がない。何かを無視するというのは、脳に働くことを強いる能動的な行為です。

きっとあなたも気がついているでしょう。友達とお話をするために、スマホを目の前のテーブルに置く。気が散らないように画面を下にするかもしれない。それでもスマホを手に取りたい衝動が湧き、絶対にさわらないと覚悟を決めなければいけない。

驚くことでもない。1日に何百回もドーパミンを少しずつ放出してくれる存在を無視するために、脳は知能の容量を割かなければいけないのです。スマホの魔力に抗うために脳が全力を尽くしていると、他の作業をするための容量が減るのです。

それほど集中力の要らない作業なら大きな問題にはならないでしょう。しかし本当に集中しなければならないときには問題が起きるのです。米国の研究で、被験者に集中力の要る難しいテストをさせました。

被験者の一部には、テストの最中に実験のリーダーからメールが届くか電話がかかってくるかしたが、それに返答したわけではないのです。それでも、メールや電話を受けた被験者のほうが多く間違えるという結果になったのです。実に3倍も多く間違えたのです。

 





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靖国神社参拝にこだわる
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/15(木) 14:13
No. 7561
 
 
過去に、大阪高等裁判所で「靖国参拝は違憲」と示されましたが、この原告の台湾の住民は、中国からきた子孫で、「中国統一連盟」のメンバーでした。報道番組では「その国の歴史、伝統、習慣を尊重することに、とやかく言われたくはない」と発言していました。

靖国神社を参拝すると決まって中国や韓国が怒り出します。A級戦犯の問題が出てきますが、東京裁判それ自体、戦勝国が敗戦国を裁く見せしめに処刑されているわけです。何処の国でも自国のために命を捧げたのだからお墓に埋葬されるのも当然だと思うのです。

日本の指導者よりも、広島、長崎に原爆をおとし、東京、神戸を始めとする大都市に焼夷弾による爆撃をかけ、女性、子供、老人といった非戦闘員を何十万人と焼き殺した、連合国こそA級戦犯でしょう。しかし、日本人はそのことを言いません。

靖国神社参拝では、中国、韓国は、外交のカードとして国内を反日でまとめるために利用しています。圧力に屈して靖国神社参拝を止めたとしたら、また何か別の問題で圧力をかけてくることでしょう。

産経新聞に掲載されていましたが、日本の国民はアジアの東で、太平洋と日本海の美しい島で、和を尊び、様々な思想や信条を認め合い、独自の伝統と文化を作りあげ子孫に伝え多くの試練を乗り越えてきました。日本国は国民が主権を持つ民主主義国家であり、国政は国民の信任に基づき国民の代表が担当し、その成果は国民が受ける。

日本国は自由、民主、人権、平和、国際協調を国の基本として堅持し、国を愛する国民の努力によって国の独立を守る。日本国民は正義と秩序による国際平和を誠実に願い、他国と共にその実現の為、協力し合う。国際社会に於いて圧制や人権の不法な侵害を絶滅させる為の不断の努力を行う。

日本国民は自由と共に公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実をはかり教育の振興と文化の創造と地方自治の発展を重視する。自然との共生を信条に豊かな地球環境を護るため力を尽くす。

日本国民は大日本帝国憲法及び日本国憲法の果たした歴史的意味を深く認識し現在の国民とその子孫が世界の諸国民と共に更に正義と平和と繁栄の時代を内外に創ることを願い、日本国の根本規範として自ら日本国民の名に於いて、この憲法を制定する。

中国人民が日本人と仲良くできない理由は中国への侵略戦争に対する問題で、正しい歴史認識ができないことにあります。両国間関係の発展の重要な基盤を築くのには、真実の歴史を知ることです。中国は、日本軍の侵略や靖国神社のA級戦犯を非難しますが、歴史観の対立と言うより、中国共産党の歴史観の押し付けや歴史の捏造です。

日中戦争は、日本の侵略や陰謀ばかりが取り上げられますが、日本側が被害者だというのも事実です。日本は中国の百年内戦という渦に呑み込まれ、反日侮日の挑発に乗せられたのが、戦争の原因です。当時、中国に住んでいた方は日本が被害者だと考えています。

日中戦争は英米ソなどの列強が中国の内戦に介入し、最終的に南京、重慶、延安の各政府にそれぞれ荷担したことが原因で、日本は中国に危害を加えたというより、近代的な統一と発展に対し、大きな貢献をしていたのです。インフラ建設をはじめ、財政、金融の安定を図り、医療衛生、文化教育などさまざまな分野でも力を注いでいたのです。

もしあの戦争がなかったら、中国の内戦は今日でも続いていたと台湾の方も語っています。日本や中国からでなく、台湾から見た日中戦争観は客観的で、政界、財界、文化界の長老たちが口にするのは、「日本が中国との戦争で、最もダメだったのは、戦争に負けたことである」ということだそうです。

もし日本が負けなければ、中国は共産主義の悲劇に見舞われることもなかったし、今日の「改革開放」を待たなくても、とうに近代化は達成され、中国がいかに日本に感謝すべきと語っているのです。日本国も被害者であるのだから、過去の靖国神社などの歴史にこだわる事なく未来を切り開いていくことが大切だと思うのです。

 





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デジタル社会から受ける影響
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/14(水) 14:17
No. 7560
 
 
コロナ危機において、デジタルツールは外の世界との架け橋のようなものでした。だが、問題を引き起こすこともありました。現在は、SNSを通じて若い世代はコロナウイルスよりもワクチン接種で多くお亡くなりになられたことがよくわかりました。

ネットを行っている若い世代はワクチンの危険性について速いスピードで知ることができました。感染拡大は危機における極めて自然な副産物ですが、昔は少人数の間で広まるだけでした。それが今では数時間のうちに何百万人にも届くのです。

あまりに大規模な情報の拡散にワクチン接種の真実を削除できなくなり世界で一番ワクチン接種を行っている国が日本国だという事がわかってしまいました。政治家も医者も厚生労働省もワクチン接種をしていない方が大半だという事には驚きました。

政府の情報に対して、なぜ人間はこれほど脆弱なのでしょうか。それに対して、我々はどんな手を打てるのでしょうか。私たちはスマホを手放すことができなくなっています。ソファに座ってテレビのニュースを観ていても、手が勝手にスマホに向かうのです。

本を読むのは昔から好きだったのに、集中するのが難しくなりました。集中力が必要なページにくると、本を脇へやってしまうのです。そういう経験があるのは私だけではないはずでしょう。見えてきたのは、いい加減な設定のパソコンがハッキングされやすいのと同じように、私たちの脳もハッキングされる可能性があることです。

賢い企業はとうにそれをやってのけています。私たちの注目を奪う製品を生み出すことによって。ポケットからスマホを取り出すたびに、自分の意思で取り出したと思っているならそれは大間違いでしょう。

フェイスブックやインスタグラムを運営する企業は、私たちの脳の報酬系をハッキングすることに成功したのです。10年で全世界の広告市場を制覇したほどの成功ぶりです。新しいテクノロジーに適応すればいいと考える人もいますが、私は違うと思います。

人間がテクノロジーに順応するのではなく、テクノロジーが私たちに順応すべきなのです。フェイスブック他のSNSを、現実に会うためのツールとして開発することもできたはずです。睡眠を妨げないようにも、身体を動かすためのツールにも、偽情報を拡散しないようにもできたはずなのです。そうしなかった理由それはお金でしょう。

あなたがフェイスブックやインスタグラム、エックスに費やす1分1分が、企業にとっては黄金の価値を持つ。広告が売れるからです。彼らの目的は、私たちからできるだけたくさんの時間を奪うことです。

あなたや私の注目を巡る軍拡競争の中で、さらに技術が向上しています。こうして私たちは、ますます多くの時間をSNSに費やすようになるのです。そして、別のことをする時間がますます減っていくという事です。

テクノロジーは様々な形で人間を助けてくれるし、もちろんこれからも存在し続けるべきものでしょう。だが一長一短だということを覚えておかなくてはいけません。そこで初めて、心身ともに健康でいられるような製品を求めることができるのです。

金儲けのために人間の特質を利用するのではなく、もっと人間に寄り添ってくれるような製品を。つまり私たちは人間の基本設定を理解し、デジタル社会から受ける影響を認識しなくてはいけないと思うのです。

 





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崩壊の淵から這い上がる大企業
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/13(火) 14:35
No. 7559
 
 
1990年代の前半は、アメリカの伝統ある大企業が消滅の危機に瀕していた時代です。製造業の王者と言われ、その10年前には自動車販売市場の約50%を占有していたゼネラルモーターズ(GM)はシェアを38%に落とし、10万人の社員をレイオフしていました。

流通業の星と言われたシアーズ・ローバックは3兆円の赤字を計上し、シカゴにあるシアーズタワーと呼ばれた本社ビルを売却していました。世界最高の金融機関と呼ばれたバンク・オブ・アメリカは中西部の地域銀行に身を落とし、その後、南部のノースカロライナに移転しています。

世界の翼と言われ、ニューヨーク市のマンハッタンのパークアベニューに聳え立つ本社を持っていたパンアメリカン航空は消滅しました。コンピュータ業界ではコントロールデータ、バローズやDECが消滅し、業界の巨人であったIBMも1993年に4兆円という巨額の赤字を計上し、4万人いた社員を2万人に半減させ、倒産の淵に追い詰められました。

そしてIBMの取締役会は歴史上、初めて最高経営責任者(CEO)を外部から採用するという驚くべき決断をします。招聘されたのはルイス・ガースナー氏でした。彼はマッキンゼーのコンサルタントを経てアメリカン・エキスプレスのCEO、RJRナビスコという食品会社のCEOを経験した優秀な経営者でしたが、IBMに入社したときの評判は散々でした。

「彼はポテトチップのことはわかってもコンピュータのチップのことは何も知らない」などの罵詈雑言を浴びていました。彼の前職であったナビスコの主力商品の一つがポテトチップだったからです。

ガースナー氏はその後、IBMを技術と設備を売る会社からグローバルなITソリューションカンパニー に進化させ、見事に再生させるのですが、最初は誰も彼の成功を信じてはいませんでした。苦しんでいたのはIBMだけではありません。

シリコンバレーをつくった会社と言われたHPは往年の輝きを失い、社長が相次いで交代する混乱を経験します。アップルはスティーブ・ジョブズを解雇し、彼がペプシコから招聘したジョン・スカリー氏をCEOにしますが、業績悪化のなかで相次いで社長が入れ替わる惨状でした。招かれた経営者は皆、20世紀型の古い戦略経営をする人たちでした。

 





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グローバル企業運営の時代
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/13(火) 14:34
No. 7558
 
 
多国籍企業運営の時代からグローバル企業運営の時代へ転換を導いたベルリンの壁の崩壊は、天安門事件からほぼ6ヵ月後の1989年11月9日、東ドイツ政府が東ドイツ国民の旅行、移住の大幅な規制緩和を発表したことがきっかけとなり、ベルリンの壁に市民が殺到、国境検問所が解放されます。

冷戦 を象徴した東西ベルリン分断の歴史が終結しました。ベルリンの壁崩壊は、政治的にはソ連邦の崩壊、共産党国家の解体という混乱を生み出しましたが、欧米の大規模な企業にとっては企業運営の大きな変革をもたらすものでした。

それは多国籍企業運営の終焉とグローバル企業運営の始まりを意味するものだったのです。冷戦期は、同じ西側陣営であってもそれぞれの国が輸出入を厳しく管理し、高い関税をかけ合う時代でした。

1980年代には日米の間でも自動車や半導体の分野で関税をめぐる激しい交渉が行われていました。しかし、冷戦の終結は、国ごとに孤立するのではなく連携して大きな市場を共有する動きを加速していきます。欧州では1993年にEU(欧州連合)が設立されます。

国ごとに孤立した分断の時代では、企業は進出した国のインサイダーになり、製造、販売を併せ持つ多国籍企業運営を追求します。これに対し、多くの国が連携する大きな経済圏ができれば、企業は共通の製品、サービスを共通の方法で提供する効率のよいアプローチをとることが可能になります。このアプローチをグローバル企業運営と呼びます。

企業にとっては規模の経済が格段に増し、トップ企業は最大の効率を得ることができるようになります。このことにいち早く気づいたのはGEのジャック・ウェルチ氏でした。彼は世界のナンバーワンもしくはナンバー2のシェアを獲得するように事業責任者に強い指示を出していきます。この事に早い段階で気づいた日本企業はほとんどありませんでした。

 





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キングダム秦の始皇帝
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/13(火) 14:33
No. 7557
 
 
中国の歴史では周が800年ぐらい続きますが、紀元前221年、秦の始皇帝という天才が現れて中国を統一します。ローマが勃興したころです。始皇帝というのは、ダレイオス1世に並ぶ、すさまじい天才で、世界初の中央集権国家をつくりました。

まず皇帝という新しい称号をつくります。それから郡県制をつくります。簡単にいえば、中央から官僚を派遣し、全土を治めるということです。ダレイオス1世は、サトラップ(知事)に、地方の有力者を任命しましたが、始皇帝は違いました。

中央から知事を送ったのです。なぜそれができたかというと、漢字と紙が存在したからです。伝言ゲームと違って、書いたことがそのまま地方に伝達できます。紙は蔡倫が2世紀に発明したのではないか、と思われる方もいるかもしれませんが、始皇帝のころから紙の原型がありました。竹簡や木簡もありました。

つまり、書写材料に、漢字という文字がそろっているので、文書行政ができたということが中国のすごさです。始皇帝は、文字を統一し、度量衡も統一します。車軌を統一したのもすごいことで、車の幅をそろえることで、泥道に鉄道を引いたような轍ができ、物資の流通が楽になるのです。貨幣の統一は二世皇帝の時代です。

始皇帝に始まる、中央集権国家のグランドデザインは今も生きていると思います。中国とほぼ同じ広さの米国本土には時差が4つありますが、中国は北京時間1つです。中央集権です。それがなぜできるかといえば始皇帝の時代に「中国のような広い国は、優秀な官僚が文書行政で治めないといけない」という国家のグランドデザインが出来たからでしょう。

大国の統治技術は、西方のダレイオス1世に始まり、東方の始皇帝が完成させたと考えたらわかりやすいと思います。漢の武帝が、始皇帝をおとしめた。始皇帝が死んだ後、項羽と劉邦が戦い、劉邦が勝ち、漢帝国が生まれます。漢の最盛期は、7代武帝の時代といわれています。劉邦の時代、中央ユーラシアには匈奴という遊牧民の大帝国がありました。

劉邦は匈奴に降参します。「お金を払いますし、反抗しませんから、 許してください」と。こうして漢は事実上、匈奴に臣従したのです。しかし、武帝のころになると国庫も豊かになり、匈奴に戦争を仕掛けます。そのときに衛青、霍去病といった将軍が活躍し、匈奴との主従関係が一時期逆転したのです。

武帝の時代には、『史記』などの歴史記録がつくられました。武帝は漢では一番、有力な皇帝です。その武帝が、誰を意識するかというと、秦の始皇帝でした。自分の前の有力者です。秦皇漢武という言葉が残っています。しかし、始皇帝の頃の歴史書は残っていません。

武帝が『史記』を書かせたのはつまり、自分をよく見せ、始皇帝をおとしめるということでした。だから、「始皇帝のお母さんは、宰相・呂不韋の愛人だ」とか、「始皇帝は、呂不韋の子どもだ」「皇帝と結婚したとき、お母さんのお腹にはもう愛人の子どもがいた」などと、始皇帝をおとしめたわけです。

武帝が自分を持ち上げようとした反動で、始皇帝の評価は後世、低くなってしまいました。この辺りの出来事は漫画やアニメ・映画などで大ヒットしている「キングダム」を見ていただけるとよくわかると思います。

 





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我々の宇宙の将来
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/13(火) 14:31
No. 7556
 
 
人類の古代から続く宇宙への探究は、16〜17世紀に太陽系モデルを手に入れた後も加速し続け、今では物理学の発展を基に、我々の宇宙の始まり、またその誕生以前の世界をも議論できるようになってきました。我々の宇宙は約138億年前に生まれ、我々の太陽はその中で約46億年前に私たちの天の川銀河の中に生まれた恒星です。

では、我々の住むこの宇宙の未来はどうなっていくのでしょうか? まず、現在の銀河の速度等の観測から、我々の銀河系は約40億年後にはアンドロメダ銀河と衝突、合体をして一つの大きな銀河になることがわかっています。

また、近くの他の小さな銀河もこの巨大な銀河にのみ込まれます。しかし、銀河の中の恒星同士の距離は非常に離れているので、この際に恒星同士が衝突することはまずありません。そのため、我々の太陽はこの銀河間の衝突を乗りきると思われますが、それでも今から50億年ほどもすれば燃え尽きて、白色矮星と呼ばれる小さな天体になってしまいます。

一方、我々の銀河系から十分離れたところにある銀河は巨大銀河に吸収されることなく、宇宙が加速膨張を続けることによりどんどん遠ざかっていくと考えられます。そしてある時点(今から数百億年ほど)で、それら全ての遠ざかる速さが光速を超えることになり、永遠に視界から消えてしまいます。

つまり、今から数百億年以降にこの巨大銀河の中に発生した文明が宇宙を観測したとしたら、自分たちが住んでいる銀河以外には何もないという宇宙を見出すはずです。そして、このはるか後、およそ1億年後、この巨大銀河も重力により太陽質量の100倍程度の巨大なブラックホールへ崩壊してしまいます。

このブラックホールはその巨大な質量を反映して、半径300光年程度とかなり大きいものです。そしてこれより先、宇宙にはこのブラックホールがのみ込めるものは何もなくなるため、ブラックホールはホーキング放射を通してゆっくりと蒸発していく事になります。

ホーキング放射とは、ケンブリッジ大学の故スティーヴン・ホーキング博士により発見された効果のことです。量子力学を考えるとブラックホールも極めてゆっくりではありますが熱的放射をしており、これが続くと最後にはブラックホールは蒸発してなくなってしまいます。このブラックホールの蒸発には、およそ100億年程度もかかります。

そしてその後には、宇宙はただ加速膨張を続けるだけの「からっぽ」の空間になってしまいます。より正確には、もしこの空間に観測者がいたとすると、空間は加速膨張に伴う量子力学的効果である絶対温度10度程度の放射で満たされているように見えることになります。からっぽの空間は、我々がイメージするからっぽとは少し違います。

もし我々の宇宙が唯一無二の存在であれば、宇宙はこのからっぽの状態に永久にとどまることになるでしょう。しかし、マルチバース理論によれば、我々の宇宙はどこかの時点で別の宇宙に崩壊してしまいます。つまり、他の泡宇宙が生まれ、我々の宇宙はそれにのみ込まれてしまうのです。

この崩壊が今まで述べてきた過程のどの時点で起こるのかは、現在の理論では計算できません。そして、それがどんな宇宙なのかも現在の理論ではわかりません。しかも、もしこれを計算できる完全な理論が完成したとしても、「次の」 宇宙がどんなものになるのかは、量子力学的な確率の意味でしかわからないのです。

マルチバース理論は、我々が全宇宙と思っていたものが、無数の泡宇宙の中のたった一つにすぎないと教えてくれます。これは、たとえば我々の祖先から子孫へと延々と続く流れの中に存在するたった一人の人間にすぎないようなものです。

タンパク質のような小さな分子も、太陽のような恒星も、生まれては消えていきます。そして、宇宙もまたそうであるようなのです。マルチバースは、現代物理学が到達した極めて「革命的」な描像ではありますが、諸行無常に慣れ親しんだ我々日本人にとっては、もしかしたらより自然なものに感じられるかもしれません。

 





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イスラエルを招待しないことについて
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/13(火) 14:30
No. 7555
 
 
長崎市がイスラエルを招待しないことについて、長崎の被爆者団体が発言していますのでご紹介します。(8月9日「毎日新聞」朝刊3面)

◯長崎市がイスラエルを招待しないことについて、被爆者団体「長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会」の川野浩一議長(84)は「79年前の悲惨な出来事を体験した市民の一人として、パレスチナ自治区ガザ地区を激しく攻撃しているイスラエルを招待すべきではないと考えている。『不測の事態を避けるために』と説明している。市長とは立場が違うが、市長の判断は当然だ」と指摘。

米英などの駐日大使が参列しないことについては「核保有国の代表が式典に来て『歴史を繰り返さない』と手を合わせることの積み重ねに意味がある。『イスラエルを招待しないなら大使は参列しない』という政治的な判断をする問題ではない。各国が本当に歴史を繰り返さないという気持ちで参列しているのかが問われている」と語った。

◯長崎市の被爆者団体「長崎原爆被災者協議会」の田中重光会長(83)は「欧州やG7の政治家は何を見ているのかと言いたい。イスラエルは、パレスチナの学校や病院などを攻撃しており、ジェノサイド(集団虐殺)だ。それを支持するのはおかしい」と憤った。【尾形有菜、樋口岳大】

ダブルスタンダードの欧米に忖度し、長崎市の正論に無視を決め込む政府の冷酷に「ノーコメントは、ありえない」国際ジャーナリスト春名幹男氏(8月9日発行「日刊ゲンダイ」)

市はもともと、在日イスラエル大使館への招待状送付について「ガザ地区の危機的な人道状況や国際世論に鑑み、式典で不足の事態が発生するリスクが懸念される」−中略。ただ、イスラエルがいま、実施している攻撃は「自衛」の範囲を超えた「殺戮」と言うしかない。ガザ地区では、子供を含めた犠牲者が約4万人にも上っているのだ。−中略。

一方、イスラエルを擁護する欧米こそダブルスタンダードで、批判されるべきだろう。そうした二重基準にとらわれず、ロシアとイスラエル双方の招待を見送った長崎市は、世界平和を願う被爆地の矜持を示したと言える。

ところがそんな市の世論に無視を決め込んでいるのが、日本の岸田政権である。林官房長官は「式典に誰を招待するかは、主催者の長崎市で判断することであり、政府としてコメントする立場にない」と、まるで他人事のような言い方だ。 −中略

国際ジャーナリストの春名幹夫氏はこう言う。「日本政府は結局、欧米各国に忖度し、足並みを揃えることしか頭にないから、余計な事は言えないでしょう。しかしノーコメントはありえない対応です。どの国を式典に招待するかは、主催者である長崎市が決めること。各国が参加不参加を決めるのは自由ですが、欧米が徒党を組んで抗議するなどが完全な筋違いです。特に米国は原爆を投下した当事者として、反省がないとしか思えません。

日本政府は『ここは政治闘争の場ではない』『核兵器の根絶と平和実現を目指す場だ』と、ハッキリと発言すべきでした。外務省も水面下で、各国に長崎市の立場を理解するよう求めるのがスジですが、そんな様子もない。これではイスラエルを擁護したも同然です」−後略

 





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イギリスの三枚舌外交
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/09(金) 17:17
No. 7554
 
 
1917年、当時の外務大臣であるアーサー・バルフォアが、イギリスでシオニズム運動の代表であり財閥を所有していたウォルター・ロスチャイルドに手紙を送り、パレスチナにおけるナショナルホームの設立に賛成します。

「手紙で約束しましたよ」という形式でしたが、これをイギリス政府が正式に認めたのです。これが後に「バルフォア宣言」と呼ばれている約束で、イスラエル建国をイギリスが支持した根拠になっています。

イギリスがなんでこんなことを勝手に認めたかというと、当時のイギリスは第一次世界大戦で現在のトルコにあったイスラム教の大帝国であるオスマン帝国に勝ちたかったからです。パレスチナの戦いを有利に進めたかったので、認めるほうが有利だったためです。

それにとにかくお金が必要だったので、超金持ちのロスチャイルドやユダヤ人諸氏からの支援も必要でした。ところが当時のイギリスは裏では、アラブ諸国の独立を約束する「フサイン・マクマホン協定」をフサインさんと結んでいます。

この協定も手紙の交換という形でした。フサインは当時のアラブ世界でもっとも崇敬を受けたハーシム家の当主です。協定の内容は、アラブ諸国の独立を支援するかわりに、イギリスと敵対していたオスマン帝国に反乱を起こしてくれという約束でした。

そのうえイギリスは1916年にこっそりと「サイクス・ピコ協定」という約束をしてしまい、アラブ諸国には秘密にしました。サイクスはイギリスの外交官で旅行家、ピコはフランスの外交官です。

これは「第一次大戦が終わってむかつくオスマン帝国が負けたら、アラブ人地域をイギリス、フランス、ロシアで仲良く分けましょう。パレスチナは国際管理にしてみんなで管理してやりましょう」という勝手な約束でした。

この約束には最初は当然ロシアも入っていたのですが、1917年にはロシアで革命が起こり、ロシアの立場としては「帝国主義の悪徳を公開して俺の印象を高めてやる!」という意図があったのです。

この約束から離脱し、「こんな酷い秘密の約束をしていました!」とバラしてしまいます。当然ながらアラブ諸国は猛烈に怒りました。ところが当時の「お約束」が現在の中東の国境や力関係にも大きな影響を及ぼしています。

しかもこの適当な「お約束」の影響はなんと「イスラム国」にもあります。「約束は西側帝国主義の象徴である! 今の国境は廃止して巨大なイスラム国をつくれ!」といっているのです。この3つの「お約束」はお互いに思いっきり矛盾していたので、関わりまくっていたイギリスはいまだに各方面から超批判されているのですが、まったく謝罪していません。

いざオスマン帝国が負けると、アラブ地域はイギリスとフランスが委任統治することになります。委任統治とは、戦争で勝った国はぶんどった地域を植民地にしたいけど、植民地にするといろいろ批判されるので「国際連盟から管理してと頼まれた」という形式にして実際はめちゃくちゃ支配しているというやり方なのです。

 





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宇宙観を一変させる発見
   投稿者: 仲條拓躬    
2024/08/09(金) 17:14
No. 7553
 
 
20世紀の科学の最大の発見の一つに、私たちの宇宙はずっと同じ状態で存在しているわけではなく膨張を続けていることを見つけた、ということが挙げられます。今では広く知られることになったこの事実も、発見された当初は我々の宇宙観を一変させるものでした。

宇宙が膨張をしているという発見に至るプロセスは、科学の大きな進展がどのようにして起こるかの一つの典型例であり、それ自体非常に興味深いことです。始まりは、1916年、アインシュタインが重力を時空の幾何学として記述する一般相対性理論を完成させたことです。

この理論はニュートンの重力理論を、アインシュタイン自身が1905年に発表した相対性の原理と矛盾しないように拡張したもので、物理学の歴史上でも最も美しい理論の一つといわれています。アインシュタインは、すぐにこの一般相対性理論を、宇宙全体に適用しようとしました。

その結果、宇宙は膨張するか、収縮するかのどちらかでしかないという結論に行き着きました。それは当時の、宇宙というのは「常にそのままそこにある」ものという常識とは合致しない結果だったのです。

アインシュタインはこの結果を受け入れられず、それまでの常識である、膨張も収縮もしない「常にそのままそこにある」宇宙が得られるよう一般相対性理論を修正しようとしました。そしてそれは一見うまくいったように見えました。

ところが、修正によって理論には余分な構造が付け足されてしまい、また得られた定常な宇宙も非常に不安定なものになってしまいました。例えて言えばこの宇宙は、絶妙なバランスがあればコマは回らずともずっと立っていられると主張するようなものだったのです。

この望ましくない状況は、1929年に宇宙膨張の証拠が観測的に見つかったことで劇的に変わります。証拠を発見したのは、アメリカの天文学者、エドウィン・ハッブルです。ほぼ同時期にベルギー出身の宇宙物理学者でカトリック司祭でもあるジョルジュ・ルメートルも、同じ結論に達しています。

ハッブルの発見を受けてアインシュタインは、自分の試みた理論の修正が自身の人生最大の過ちであったと語った、と伝えられています。アインシュタインほどの天才でさえ常識を打ち破るのは簡単なことではなかったのです。

さて、ハッブルが実際に見つけたのは「ほぼ全ての銀河は地球から遠ざかっており、またそのスピードは遠くにある銀河ほど速い」ということなのですが、これはまさに「宇宙が膨張している」ということなのです。

これを理解するには、風船の上にほぼ一様に点を描き、それを膨らませることを考えるとよいでしょう。ここで、点は銀河を表し、風船の表面は宇宙を表すとします。もし、我々がこの点の中の一つ(ある銀河)に住んでいるとすると、全ての点(銀河)は我々から遠ざかっているように見え、また遠くの点(銀河)ほど速く遠ざかっているように見えるでしょう。

すなわち、まわりの銀河がこのように振る舞うということは、宇宙が膨らんでいるということを意味するのです。

 






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