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ウイルスは患者の咳やくしゃみをした時に飛び散る飛沫によって広がることが多いです。飛沫が付着した表面や物体に触れた手で口や鼻、目を触ったときにもウイルスに感染します。広い範囲の空気感染や他の経路による感染が起こっている可能性もありますが、完全には解明されていません。
2003年4月23日、北京郊外で1000床のSARS専門病院が開院しました。この小湯山医院は迅速に患者に対応しましたが、治療した患者はわずか680人で、6月の終わりにはもはや必要がなくなりました。
WHOは中国でSARSの危機が去ったと判断し、7月初めにSARS患者が出た29カ国でのSARSの終息を宣言しました。 北米、南米、ヨーロッパ、アジアの諸国を巻き込み、8098人の患者と774人の死者を出し、世界を震撼させたSARSの大流行は突如として始まり、あっという間に終息したのです。
最初の感染源を含めて、SARSについてはまだわかっていないことが多いのです。中国で流行が始まった地域で捕獲されたハクビシンからSARSに似たウイルスが単離されたと発表されると、中国政府は駆除を開始し、1万頭以上のハクビシンアナグマ、タヌキが処分されました。中国に生息するキクガシラコウモリも感染源になった可能性が指摘されています。
2018年の時点で、2004年以降にSARSの報告はありません。しかし、2012年に米国はSARSウイルスを国民の健康や安全にとって重大な脅威となる可能性がある「特定病原体」に指定しました。
そして同じ年に、別の新型コロナウイルスがサウジアラビアに現れました。サウジアラビアの都市ジェッダの病院で、1人の患者が急性肺炎と臓器不全のため死亡しました。病院では病原体を特定できなかったため、オランダの研究所に喀痰検査を依頼したところ、中東呼吸器症候群コロナウイルス (MERSコロナウイルス)が検出されたのです。
このウイルスこそ、中東呼吸器症候群、略してMERSの原因でした。MERSはSARSに似た病気で、致死率は約40%にも達しました。2018年現在、米国、イラン、フィリピンと、英国などヨーロッパの数カ国を含む合計27カ国でMERSの発生が報告されました。
だが、患者の約80%はサウジアラビアに集中しており、人から人への感染以外にヒトコブラクダからの感染も疑われました。 MERSはコウモリが持っていたウイルスがラクダに広がった可能性があります。
中東以外で発生した患者は、同地域に旅行して感染したケースが殆どでした。WHO はすべての国に対し、その国で感染が発生したか否かにかかわらずMERSに警戒するよう呼びかけました。特に中東との行き来が頻繁な地域では注意が必要だったのです。
さらにWHOは、確定例だけではなく疑わしい発症例と対応策の取りまとめを報告するよう求めています。「最適かつ国際的な対応策を周知するために」はこうした動きが必要になってきます。
普通の風邪の原因となるヒトコロナウイルスは何百年もの間、重篤な症状を引き起こすことはありませんでした。それが、なぜ今になって突如として致死性の高い新型ウイルスが出現したのか。SARSの流行後、 専門家はこれを「実に憂慮すべき問題」だと評しました。SARSと入れ替わるように致死性の高いMERSが出現したのは、 そのすぐ後のことでした。
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