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我々人類は宇宙に知的生命体の証拠を探しています。もしそれが見つかったら、ファースト・コンタクト、つまり宇宙人らと初めて接触する用意はできているだろうか。向こうが送ってくるメッセージを我々は理解できるのか。
人間が電波を受信できるようになったのは100年と少し前からです。それ以前の数百万年、数十億年間に地球外文明が電波を浴びせていたとしても、我々はその気配すら感じることができませんでした。
でもあなたがこれを読んだ翌日、誰かが宇宙の声を聞く新しい方法を発見し、これまでになかった通信手段を開発するかもしれません。宇宙人から見た人類が、蟻程度の存在だったら? 我々がアリを扱うように扱われるかもしれません。
異星人がずば抜けた知能をもち、我々にはお手上げの技術や武器、細菌やウイルスをもっていたら? 地球上でさえ、東と西、北と南の異文化が初めて出会った歴史は大量虐殺に血塗られていたではないか。
舞台が宇宙になって、発展のレベルが違いすぎる文化が接触したとき、その物語はめでたしめでたしで終わるだろうか。ここにファースト・コンタクトの物語が一つあります。結末がどうなるかは、まだわからない。
中国南西部、貴州省平塘県に世界最大の500メートル球面電波望遠鏡 (FAST)があります。ブロッコリーのように樹木がこんもりと茂る、とがった山頂が連なる山々の谷あいで、FASTは2016年9月に初めて宇宙電波を受信して正式に稼働を開始しました。
それまで世界最大だったのは、1963年にプエルトリコにつくられたアレシボ天文台の電波望遠鏡でした。FASTの感度はその3倍で、しかもアレシボの電波望遠鏡にはない機能をもっています。
巨大な球面鏡を構成しているアルミパネルをコンピューター制御で動かし、宇宙の特定の場所に狙いをつけることができるのです。宇宙の起源と、初期の歴史に関する未解決の謎を解くことが、FASTの目的です。
具体的には、高速回転する中性子星であるパルサーを見つけ、その回転周期を利用して、時空のさざ波である重力波の証拠を探す。FASTは地球外文明からのシグナルも探すことになるのですが、あったとしても地球からはるか遠くなのでしょう。
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